どんな面接でも、「息子や娘の恋人かルームメートに会うときのように、レーダーの感度を上げておこう」と、ホートンは述べている。人は就職面接のときは自分の最高の状態を見せるはずなので、傲慢、短気、不誠実などの好ましくない面を感じたら、どんなものでも無視してはならない。自分の直感に自信がないときは、第3者の意見を求めるべきだ。

候補者が本物かどうかを見分けるために、採用する側はほかにどんなことができるだろう。ニセモノのメッキが剥がれ落ちるのを待つために、面接を引き延ばすことが考えられる。そして、その時間を使って、候補者が対立的な状況にどのように対処するかを見るのである。ホートンは、候補者の意見の少なくとも1つには異論を唱えることにしているマネジャーの例を挙げている。候補者は自分の見方を擁護しながら感じのよさと冷静さを失わずにいるか、それとも苛立ったり攻撃的になったりするか。圧力に早々と屈してしまうか。異論の根拠を理解するために面接官により詳しい説明を求めるか、といった点をチェックすればよい。

「資質」を重視した面接・採用がもたらすもの

目に見えない資質を見る面接・採用を行った場合、良好な協働関係をただちに開始することができる。なぜなら、採用された人物の初出社の日には、マネジャーはすでに時間をかけた面接を通じて、その人物を動かす推進力は何かを把握しているからだ。ホートンは次のように述べている。「採用された人物とマネジャーの間に、最初から通常の採用よりはるかに強い絆があり、両者の目的が一致する可能性もより高い。また、採用された人物のキャリアをどのように発展させるべきかについても、マネジャーはより深く理解しているはずだ」。

(翻訳=ディプロマット)
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