プレゼンの達人である澤円さんによると、プレゼンで大切なのは、「何のために話すのか」という目的を見据えて、テーマに関する「本質」を伝えることだと言います。「最強のプレゼン技術」では、そんなプレゼン内容の考え方のほか、スライドの作り方やデータの扱い方、クロージングまで、実践的な技を紹介します。

テーマを抽象化して「本質」を伝える

導入から聞き手を惹きつけるには、プレゼンのテーマに関する説明などからはじめないことが求められます。何かを説明するだけのプレゼンは、僕はあまり意味がないと考えています。なぜなら、情報を共有するだけでいいのなら、事前に資料を配れば済む話だからです。

導入以降の展開では、内容の軸になる「本質」を伝えていくことが大切です。そのためには、伝えたい内容を「抽象化」し、その本質だけを伝える作業が必要となります。抽象化とは、端的に言うと、あるものごとや概念に関して「要するに、こういうこと」と言い換えられることです。

(構成=岩川悟、辻本圭介 図版作成=佐藤香奈 写真提供=株式会社圓窓)