清潔感のある人はどこに気を付けているのか。結婚相談所運営会社広報の平田恵さんは「身だしなみには気を遣っているという人ほど、実は危ない。ビジネスシーンでは人との距離が一定保たれているために、細部のケアはいい加減になりやすい。しかし、そういう部分にこそ、清潔感のポイントが詰まっている」という――。
男性のシャツ
写真=iStock.com/AGCreativeLab
※写真はイメージです

女性が交際を終了した“たった一つの理由”

前回の記事で、婚活において「目に見えないリスク」である“におい”の引き算マネジメントがいかに重要かをお伝えしました。

しかし、清潔感を作り出すのは、当然ながら、においだけではありません。本稿でお話ししたいのは、「目に見えるリスク」である服装についてです。

においが相手の「嗅覚」を破るための関門だったとすれば、服装は「視覚」の審査です。ここでも多くの男性が、自分では「まともで清潔な格好をしている」と思い込んでいる身だしなみのラインと、女性側が実際に見ているポイントとの間に、大きなズレを引き起こしています。

結婚相談所でのある事例をご紹介します。

ある日突然お相手から「交際終了」を告げられた男性会員のお話です。

「なぜ断られたのか、まったくわかりませんでした。デートも数回行ったし、順調だと思っていました」

【Close-up:夏でも清潔感のある人、不快にさせる人】はこちら
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仲人との面談で、男性会員は振り返ります。

個人の特定を避けるため詳細は伏せますが、条件面においては女性が求める水準をクリアしており、ファッションにも人並み以上に気を遣っていた男性でした。

後日、女性側から仲人に伝えられた理由は、シャツの襟の黄ばみでした。特別にすごく距離が近づいたわけでも、じっくり観察したわけでもない。ごく普通のデートの距離感で、何度か目に入るうちに、気になって仕方なくなってしまったのだといいます。

男性にとっては、まさに青天の霹靂でした。

婚活の現場では「あるある」の現象

「そんなことで?」と思う読者もいるかもしれません。

しかしこれは決して特別な例ではなく、婚活の現場では「あるある」の現象です。

結婚相談所ではマッチング後、まずはお見合いとなります。その場合は明らかに大多数がNGをつけるような外見の乱れが致命傷となりますが、本当にシビアな審査が始まるのはその先、無事に交際がスタートした段階です。

一般的な関係でいえば「友達へ」と進むこのタイミングで、お見合いの席では見過ごされていた細部が、改めて気になり始める女性が一定数出てきます。

そして、女性側の心理を想像すると、その感覚は決して理不尽ではないのです。

「結婚したら、シャツのシワにアイロンをかけたり、襟の汚れをチェックしたりするのを、全部私がやってあげるの?」

共働き、共家事が当たり前の現代において、こう思う女性がいても決しておかしくはありません。大人なのだから「それくらい自分でやってよ」という感覚は、生活者としてごく自然なものです。

相談所の仲人としても、そうした女性側の思いに深く共感しつつも、一方で「それ以外の魅力もあるのだから、この細部さえクリアしていれば……」と、ご縁が消えていくもどかしさに頭を抱える場面も少なくないそうです。

だからこそ、プロとして多くのご縁を見守ってきた仲人の口から出た、次の一言が深く印象に残りました。

「まあ、最後は本人がどこまで努力するかですね」

小さなほころびが、結果として大切なご縁を逃す。もちろん、努力すれば必ず結果が出るとは言い切れません。しかし、努力しなければ確実に縁を逃す。その厳しい現実を、婚活の現場は静かに示しています。