「仕事では気を付けている」人ほど要注意
ここまで読んで、「仕事をするうえで服装には気をつけているし、挙げたようなことはしっかりとやっている」という方は多いかもしれません。しかし、仕事である程度成果を出し、ビジネスパーソンとして身なりを整えている自負がある男性ほど、この罠にハマりやすいのです。
なぜなら、仕事におけるそれと婚活におけるそれは、見られている「解像度」が異なるからです。
ビジネスシーンにおける身だしなみは、相手に「不快感を与えない」ためのマナーであり、たとえノーネクタイやノージャケットの軽装であっても、「オフィスカジュアル」という仕事用のドレスコード(型)に守られています。対面する距離も、会議室の机を挟んで1メートル以上離れていることが大半です。いわば、「遠目から見てまとも(引きの視点)」であれば通用する空間なのです。
しかし、婚活の場、特にお見合いやデートでの距離感は「パーソナルスペース」になります。カフェの小さなテーブルで向き合う空間では、ビジネス仕様の引きの視点では足りません。婚活では「日常の距離感で、心地よく一緒にいられるかどうか(寄りの視点)」という、相手の呼吸圏にまで踏み込んだ生々しくシビアなフィルターで審査されているのです。
「なぜか2回目のデートに繋がらない」という男性は、ビジネスマンとしての合格ラインで安心し、婚活特有の解像度に追いついていないのかもしれません。
「ズレ」はどう解消すればいいのか
第1回で挙げた「目に見えないにおい」も、今回の「目に見える服装」も、共通する最大の障壁は「自分自身の感覚のズレ」にあります。
とはいえ、こうした「ズレ」を自分一人で修正するのは、想像以上に困難です。
なぜなら、自分の部屋のにおいに鼻が慣れてしまうのと同じように、自分自身の服装のシワや、無意識の仕草といった日常の細部は、本人は毎日見慣れてしまっているため、「自分では本当に気づけない」からです。
また、大人の社会において、こうした身だしなみの死角を「わざわざ指摘してくれる他人は誰もいない」という現実があります。
お見合いやデートの相手である女性も、「シャツの襟がヨレていますよ」「サイズが合っていませんよ」などと教えてはくれません。何も言わずに、ただ静かに「お断り」のボタンを押すだけです。
だからこそ、客観的な視点からフィードバックをもらうことが何よりのブレイクスルーになります。耳の痛い指摘をしてくれる第三者の存在は、自分では気づけない死角を照らす、婚活における最大のセーフティネットなのです。

