重要なのは「マイナス」を潰すこと

お見合いやデートの現場において、女性が男性の服装に対して静かに判断する基準は、決して着ている服のセンスといった「加点」の要素ではありません。

それよりも、シャツのシワ、襟袖のヨレ、服装の黄ばみ、サイズが合っておらずダボついているといった、「マイナス」の要素です。

どれほどお洒落なアウターや小物を身につけていようとも、ベースであるシャツにシワが目立ったり、襟が黄ばんだりしていれば、それだけで全体の印象は一気に崩れてしまいます。

ビジネスシャツの襟の汚れ
写真=iStock.com/Yusuke Ide
※写真はイメージです

第1回でも触れた通り、男性は「加点(足し算)」にばかり気を奪われがちです。しかし、男性が「格好いいアウター」を足そうと必死になっている背後で、女性は「ベースの綻び」を自然と引き算(減点)しています。婚活における服装対策とは、自分を格好良く見せるためのファッションショーではなく、「事前にマイナス要素を徹底的に潰しておく、徹底的なリスク管理」の場なのです。

「清潔感へのハードルが上がった」のか

条件や性格に問題がなくても、関係が進んでも、シャツの細部一つでダメになってしまう。

なぜ、ここまで見た目における細部が見られる時代になったのでしょうか。

「女性の清潔感へのハードルが近年急激に上がったのか」というと、実はそうではありません。結婚相談所の現場を見続けてきた仲人たちは口を揃えて「女性は昔からずっと、清潔感を重要視している」と言います。変わったのは、求める側ではなく「環境」です。

SNSや映像メディアの普及によって、私たちは日常生活の中で「徹底的に整えられたビジュアル」を目にする機会がはるかに増えました。芸能人やインフルエンサーだけでなく、恋愛リアリティーショーに出演する一般人も、プロによってスタイリングされた状態で画面に映し出されます。そうした美しい映像が日常に溢れたことで、女性が昔から抱いていた「理想の清潔感」がくっきりと具現化され、言語化されるようになったのではないでしょうか。

国立社会保障・人口問題研究所の調査によれば、結婚相手に「容姿」を重視・考慮すると回答した女性の割合は、1992年の67.6%から最新調査では81.3%まで上昇し、過去最高の数値となりました。

こうした時代の変化に無頓着でいることは、それだけで致命的な不利になりかねません。これは決して「背伸びをして特別な美容をしろ」という話ではなく、「自分が思っている以上に、最低限を整えないと戦えない時代になった」という冷厳な現実なのです。