「空気を読む」……それは「世界に誇る日本文化」か、閉ざされた「ムラ社会の悪習」なのか。
森友学園問題で脚光を浴びた「忖度」を研究する心理学者が、空気の読み方を解説する。

日本で「忖度」が必要とされるワケ

社内を見回すと、空気を読んで行動することにずば抜けて長けていたのに失脚していく人間もいれば、空気を読まない言動が多いのに上司から気に入られて出世していく人間もいるのではないでしょうか。上司からすれば空気を読める部下のほうが使い勝手がいいはずだし、空気を読まない人間とは一緒に仕事もやりにくいはずです。それなのに、なぜそんなことが起こると思いますか。

この謎は「空気を読む」という言葉を「忖度する」という言葉に置き換えると解決します。

(構成=三浦愛美 撮影=横溝浩孝 写真=PIXTA)