転職していく同僚に焦るも、この場所で「大きな判子」を持てるようになろうと決意

公務員の昇進は年功序列の傾向が強く、年齢が上がるとともにポストもついてきます。私自身も41歳で課長になって以降、49歳で審議官、52歳で局長、最終的には厚生労働省の事務次官になりました。正直、上がっていくポストに対して力不足を感じることもありましたし、自信なんてまったくありませんでした。

それでも昇進を受け入れてきたのは、ポストが上がるにつれて視野が広がり成長できるということもありますし、より大きな権限を持つと、できることが増える実感があったからです。

実は一時期、自分に近い同僚が立て続けに役所を辞めたことがあったんです。NPOに行ったり、民間企業に行ったり、机の上ではなく実際の現場に出てやりたいことをやるという道に進んだ仲間の姿を見て、私自身の気持ちも揺らぎました。「みんなは本当にやりたいことがあって転職している。私は変化が怖くて、ここにいるだけなのかな」と。