2018年に「つみたてNISA」が始まって以来、投資家の間で人気を集めているのがインデックスファンドです。その魅力は、仕組みがシンプルでわかりやすいこと。分散投資が手軽にできるのにもかかわらず、コストが安く、積み立ても100円以上、1円単位から可能という点も魅力です。
そして、運用成績が好調なことも挙げられます。特に人気の高いインデックスファンドである「eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)」(以下、オルカン)の指数であるMSCI ACWI(オール・カントリー・ワールド・インデックス)の05年5月から25年4月末までの20年間のリターンは、円ベースで約7%を実現しています。
オルカンのような全世界株式型のインデックスファンドに投資することは、合理的かつ経済的な判断といえます。IMFの「世界経済見通し」では、世界経済は今後も毎年3~4%ずつ成長していくと予測。経済学者のトマ・ピケティは、著書『21世紀の資本』の中で「資本収益率(r)>経済成長率(g)」という不等式を提唱しました。つまり、世界に分散投資するだけで3~4%を超えるリターンが得られる可能性は高いということです。
ただし、オルカンにも注意点があります。それは、全世界に均等に分散投資しているように見えて、米国経済への依存度が高いことです。国別構成比ではアメリカが約60%を占めており、米国経済が下落した場合のリスクは小さくありません。また、組み入れ通貨比率でも米ドルの割合が高く、円高局面ではファンドの価値が下落するリスクがあります。
したがって、オルカンはリスクが比較的高い商品だと理解しておくべきです。リスク許容度が低いのであれば、株式だけでなく債券にも投資するバランス型の投資信託を選ぶのがベターでしょう。
新興国株は間接的に投資するほうが賢明
米国株、日本株、新興国株それぞれのインデックスファンドは、今後どうなっていくでしょうか。
米国株価指数のS&P500は、直近20年間で平均約10%の高い利回りを上げてきました。米国は人口増加が継続している数少ない先進国で、現在3.4億人の人口が50年には3.8億人に達すると見込まれています。また、米国には優秀なプロ経営者がそろっており、株式市場も全世界の時価総額の48%を占める巨大市場です。これらの理由から、米国株は今後も成長を続ける見込みが高いといえます。
日本は人口減少で経済縮小が懸念されていますが、日本企業の多くは世界でビジネスを展開しています。世界の人口が増加して、経済が成長するのであれば、日本株の株価上昇が期待できます。
一方、新興国株については慎重な見方をしています。一般的にリスク・リターンが最も高いと説明されますが、最近は値下がり方向への値動きが大きい、ハイリスク・ローリターンの展開が続いています。人気のインド株ですら、直近20年間のリターンはS&P500やオルカンに劣ります。また、中国はGDPが年率8%程度で成長してきたにもかかわらず、中国の株式市場はそれに連動していません。これは国の経済成長と株式市場のパフォーマンスが必ずしも一致しないことを示しています。新興国株は地政学的リスクや通貨リスクも大きいので、新興国の経済成長の恩恵を受けたいなら、日本株や米国株を通じて間接的に投資するほうが賢明です。
インデックスファンドは全世代に向いていますが、特に適しているのは資産形成期です。途中で取り崩さず、長期にわたって投資を続けることで、複利効果を生かした資産形成が可能になります。
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