【日本株】
日経平均株価5万円超の日は近い!株主還元に舵を切る企業を探せ
日経平均株価がバブル絶頂期の最高値3万8915円を34年ぶりに更新――。それは2024年2月22日の出来事でした。さらに7月には終値で4万2000円台という史上最高値をつけました。今年に入ってからはドナルド・トランプ米大統領の関税政策などの影響で乱高下が続いていますが、それでも今のところは1989年の株価水準に近い3万7000円付近で推移しています。
これは一時的な株高なのでしょうか? それとも長期にわたる日本株のポジティブなトレンドを反映しているのでしょうか? 私は後者だと考えています。昨今の日本の株高は単なる一時のブームではなく、複数の構造的な変化が重なって起きている現象だと認識しているからです。
その背景にあるのは、コーポレート・ガバナンスの改善です。金融庁と東京証券取引所が2015年に企業統治指針を示すコーポレートガバナンス・コードを発表してから、すでに10年が経過しました。その間に、日本企業の経営姿勢は根本的に変わってきています。各社は社外取締役の導入や企業統治の透明性の向上を進めると同時に、資本効率の向上や株主還元の強化にも力を注ぐようになりました。
23年からは東証がPBR(株価純資産倍率)1倍割れの上場企業に対し、経営の改善を強く求めるようになりました。新興企業中心の東証グロース市場でも、「上場から10年経過後に時価総額40億円以上」だった上場維持基準が、「5年経過後に時価総額100億円以上」へと強化される見通しです。
これらのアクションが何を意味するかといえば、企業に対して「ちゃんと株価対策をしなさい」というメッセージにほかなりません。かつては会社が潰れないよう現金を貯め込んでいればよかったのが、今では「資本をちゃんと活用して収益を上げ、会社を成長させるとともに株主還元をしっかりしないと、上場というステータスを維持できません」と言われるようになったということです。
ここ2年ほどでPBR1倍割れの企業はずいぶん減りましたが、それでも日経225の構成銘柄のうち約90社、東証プライム全体では半数以上が、まだ1倍割れにとどまっています。言い換えれば、経営改善の余地がある企業がまだまだたくさん残っているということ。内部留保を貯め込むばかりで資本効率の悪い企業は、海外投資家から見れば企業買収の格好の標的になるので、買収予防策としても経営改善や株主還元に力を入れて、株価を高くする必要が高まっています。セブン‐イレブンも、優良企業なのに時価総額が低かったから、カナダの同業大手に買収を提案されてしまったのです。
米国株の調整で日本にお金が流れてくる
このように、企業の利益率や資本効率が改善されることで、日本経済全体の成長率がさほど変わらなくても、株価が上昇する構造が生まれています。
短期的には、現在の日本株はいわゆるトランプ・ショックからのリバウンドがややいきすぎて、少し買われすぎている感もあります。とはいえ、長期的に見れば日本株はまだまだ割安です。日本株は世界の投資家にまだ十分に発見されていません。これから世界の投資家に発見されて買われていくステージにあると私は考えています。
その一つのきっかけとなるであろう要因は、米国株の調整です。米国株は今、世界全体の株式時価総額の中で6割近くを占めています。一方で、アメリカのGDP(国内総生産)は全世界の4分の1程度。理屈の上では、米国株の時価総額シェアも4分の1程度が妥当なはずですが、現実にはそれ以上に評価されていることになります。
なぜそこまで買われているのかというと、全世界の投資家から、流動性が高く安全な投資先だと見られているからです。くわえて、AIブームなどを背景にバブルといえるような現象も起きています。こうした状況は永遠に続くものではありません。米国株はいずれ適正な水準、つまり全世界を合計した時価総額の少なくとも30%台までに下がると、私は見ています。
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