センスのよさと堅実さの両立を目指す女性たちから圧倒的な支持をうけている大人気ブログ「ケチケチ贅沢日記」を書籍化したベストセラ―、『ケチケチ贅沢主義』。著者のmuccoさんはあるきっかけから生じた危機感から、独自で「お金の勉強」を始めた。
muccoさんの憧れの先生は、ご存知、家計の見直し相談センターの藤川太さん。これまでに1万5000件の家計を見てきた経験から、「中の上の家庭がいちばん危ない」と「勘違い富裕層」に意識改革を迫る『年収が上がらなくてもお金が増える生活』をこの6月に出版。
本を通じて共感した2人。アベノミクスに踊らされることなく、目的なき節約でストレスをためることなく、自分らしく稼ぎ、使い、貯めるための考え方について、とことん語り合います。(全3回)

(>>第2回はこちら)

「教育」という聖域が家計を苦しめる

muccoさん

【mucco】お子さんがいる家庭でシンプルライフといってもなかなか難しいのではないですか。

【藤川太】そうですね。うちもシンプルとはいいがたいなあ。

【mucco】どういうところから漏れがあるのでしょう。

【藤川】教育ですね。教育は聖域とはよく言ったもんだなと思いますね。話はちょっと戻りますが。本来ならある予算の範囲内で最大限の効果を出すということを考えなきゃいけないのに、教育だけは別枠になってしまう。赤字国債OKだと。受験はワンチャンスだから、やるだけのことはやらなきゃってなる。

【mucco】やるだけのことをやっても、だめなときもある。

【藤川】それはそのとおり。そもそも論として、いい学校に行くというのがほんとうにいいことなのかという話もあるわけじゃないですか。大学へ行っても簡単に就職できない世の中だし。それよりも、フランスに、料理の修行へ出して、20歳ぐらいになったら本場で修業した若手料理人として凱旋させる。本来だったら大学とかに使うはずだったお金を開店資金としてつぎ込んだらいきなりレストランオーナーシェフとしてデビューさせられるんですよ。そっちのほうがいいんじゃないですかとかね。