トップセールスを1000人輩出したい
【田原】営業マンで成績がよくなると、その会社で出世して社長になるという道があります。現横浜市長の林文子さんは、ホンダの車を売ってトップセールスになり、BMWの社長になった。太田さんは、どうしてそういうコースを選ばなかったのですか。
【太田】たしかに林さんのような伝説の営業マンには憧れるのですが、私を含めて、いまの若い世代はトップになることにそれほどこだわりがありません。もちろんトップグループに入りたいし、自分を成長させたいですが、できればみんなと一緒にトップを取りたいという気持ちが強いんです。
【田原】1人で目立つのは嫌なのかな。じつはいま政治の世界も、そういう傾向があります。いま安倍晋三さん(首相)が目立っているけれど、彼がうまくいっているのは、官房長官をはじめ側近やブレーンたちのチームワークがうまく機能しているからです。もう1人で何でもできてしまうスーパーマンは流行らないのかもしれませんね。
【太田】少なくとも女性営業の多くはスーパーウーマンになるよりも、仕事とプライベートを両立しながら結果を出したい。成功体験が少しでもあれば「働き続ける」醍醐味を感じられるようになり、その結果として、女性営業職の就業継続にも繋がります。
営業部女子課でも、プライベートを充実させながら上位5%のトップセールスを全国で1000人輩出することを目標にしています。実際にも、当会に入ってから4000人の中で上位5%で表彰された女性が出てきたりと、小さな“伝説”も生まれてきました。
【田原】上位5%というのも十分にすごいですけどね。先ほど全国とおっしゃっていましたが、いまはどこまで進んでいますか。
【太田】3年以内に47都道府県ぜんぶに広げていきたいと考えていますが、現状では10カ所ぐらいです。
【田原】これからが正念場ですね。これから先は、海外も視野に入れていますか?
【太田】ゆくゆくは、と言いたいところですが、正直言って、まだそこまでは考えられないですね。
【田原】ぜひアジアにも展開してください。これまでアジアの国々は日本の生産拠点でしたが、いまは消費地にかわりつつある。消費地になるということは、営業職が必要になるということ。太田さんが日本で培ったものは、成長著しいアジアの女性の営業職にも役に立つと思う。期待しています。
【太田】いままで考えたことがありませんでしたが、長期ビジョンが見えてきました。大変刺激を頂きました!