伝える前に十分な準備を
マネジメント能力開発・コンサルティング会社、ザ・フォーラム・コーポレーションのリーダーシップ・マネジメント能力開発部門のトップ、ルイーズ・アクソンは、クライアントのCEOがこの種の厄介な状況を乗り切る手助けをしたことがある。
そのCEOは、ある上級マネジャーの問題について本人と話し合う必要があった。彼の傲慢さと派閥主義は、その会社の協働の文化に反していたからだ。しかしこのマネジャーはクライアントとの関係もきわめて良好で、新規の仕事を着実に獲得しており、会社にとっては是非残したい人物だった。
CEOは自分の主張を明確かつ論理的に示せるよう、1週間半かけてその上級マネジャーのマイナス行動の具体例を探して記録し、それから集めた情報を主要テーマに従って分類した。その後、その上級マネジャーを呼んで、そのマネジャーが最も重視している「組織内で信用を保つこと」を軸に議論を組み立て、各カテゴリーのマイナス行動が彼自身の利益と会社の利益をどのように損なっているかを説明した。
メッセージを繰り返し補強する
前記のケースでは、CEOはマネジャーに、彼のマイナス行動が彼自身の信用と力をどれほど損なっているかを示す証拠をじっくり検討する時間を1週間与え、それから2度目の話し合いを持った。その後も、そのマネジャーと毎週話し合っただけでなく、彼に即座にフィードバックを与える機会を見つけるために常に目を光らせていた。たとえば、このマネジャーが不愉快な行動を繰り返した会議のすぐ後に、彼を呼んで注意を促した。