磯田道史(いそだ・みちふみ)
1970年、岡山市生まれ。2002年、慶應義塾大学文学研究科博士課程修了。博士(史学)。現在、静岡文化芸術大学准教授。次の震災に備えて、浜松市に移住し、大津波を記録した古文書を渉猟している。著書に『武士の家計簿』『殿様の通信簿』『日本人の叡智』『歴史の愉しみ方』などがある。
1970年、岡山市生まれ。2002年、慶應義塾大学文学研究科博士課程修了。博士(史学)。現在、静岡文化芸術大学准教授。次の震災に備えて、浜松市に移住し、大津波を記録した古文書を渉猟している。著書に『武士の家計簿』『殿様の通信簿』『日本人の叡智』『歴史の愉しみ方』などがある。
歴史とは無数の人の人生の束でできている。そう語る磯田道史さんは、歴史家として史料を読むことで、何万人という日本人に出会ってきた。その中に「どうしても頭にこびりついて離れない人たちがいる」と言う。本書は、そんな忘れ難い3人の江戸人の生涯を描いた評伝集だ。
武士に貸した金の利子で、貧しい故郷を将来にわたり救おうとした商家・穀田屋十三郎。清貧を貫き庶民とともに生きた儒者・中根東里。そして絶世の美女に生まれながら辛苦の日々を送り、庵で陶器を作り続けた大田垣蓮月。彼らに共通する「無私」という生き方とは、どのようなものだったのか。
「大田垣が『自他平等の修行』と言ったように、無私とは自分を思うように他人を思うこと、そうありたいと願うことです。中根東里も同様に『人のために何かをすることは自分の病気を直しているのと同じことだ』と言う。私はこうした価値観こそが、かつての庶民の中に道徳として根付いていたものだったと確信しているんです」
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(二石友希=撮影)


