鈴木 寛(すずき・かん)
参議院議員、情報社会学者。1964年生まれ。86年東京大学法学部卒業、通商産業省入省。99年慶應義塾大学環境情報学部助教授に。2001年参議院議員に初当選し、現在2期目。民主党政権下では文部科学副大臣を務めた。著書に『「熟議」で日本の教育を変える』、共著に『コンクリートから子どもたちへ』などがある。

政治家が本を書くことは珍しくない。だが政治とメディアの関係を、当事者が分析するという内容は異例だ。しかもその要旨は「視聴率に踊らされる政治家」。民主党の参議院議員である鈴木寛氏は「テレビから干される覚悟で書いた」と話す。

「政治には政策決定と選挙という2つの側面があります。政策決定とは様々な課題に優先順位をつけ、利害関係の複雑な問題を政治責任で解きほぐすこと。その一方、いまの選挙はテレビの影響が非常に大きい。だから与野党で熟議を重ねても、芸能事務所に所属するような『テレビ政治家』が人気取りの発言で協議を壊してしまう。そうして政策決定が行き詰まった場面ばかりが放送されるから、政治不信が広がっていく」

(門間新弥=撮影)
【関連記事】
日本初の女性首相、安倍氏“意中の人”は誰?
ベテラン秘書2人が野田氏に愛想尽かした理由
「安倍外交」支える異色の内閣審議官がしたこと
TPP交渉参加を“参院選前”に表明した理由
安倍晋三の器と力量【1】