※本稿は、和田秀樹『60歳からの仕事の壁 10年後も食える人、1年後すら危ない人』(青春新書インテリジェンス)の一部を再編集したものです。
稼ぐ人の共通点は「フットワーク」の軽さ
新しいチャレンジをするとき、慎重すぎるぐらいがちょうどいいと思っていませんか?
残念ながら、その姿勢ではチャンスを逃すかもしれません。たとえ、世の中が停滞期でも、何歳になっても、あなたの人生まで停滞期にする必要はありません。
その打開策として、意識して欲しいのが、“フットワークの軽さ”です。
世の中が停滞期でも、果敢にアクションを起こして儲ける人はいます。自分を高めて、上昇気流に乗る人にとっては、短期的な世界不況なんて恐れる必要はありません。いまや大企業でさえ、チャレンジ精神を失って、思考が硬直化しています。
一例を挙げましょう。
世界のリーディングカンパニーが何社もある日本の自動車業界ですが、保守的になり、弊害が生まれているようです。
先日、60代の知人が新車買い換えで嘆いていました。「せっかく新車を買うのに同じ車種が買えない。新モデルは大型ばかりで、欲しいサイズは、みんな旧型だよ」と。
高齢者のドライバーにとって、大型サイズの運転は怖いものです。つまり、これまでのマイカーの最新モデルが大きすぎたため、違う車種からちょうどいいサイズを探して乗り換えようとしていたのです。
ところが、日本の自動車メーカーは超高齢社会に対応していません。海外市場に輸出する都合を意識するあまり、車を大きくしすぎているのです。
スティーブ・ジョブズだって人と組んで成功した
現在の日本には、とくに高齢者向けの商品・サービスが圧倒的に不足しています。
だから、「いけるかな?」と思えるアイデアが浮かんだら、積極的にトライすればいいのです。
ネットもあるし、大きな予算は必要ありません。フットワーク軽く、自分のやれる範囲で挑戦する価値はあります。
貯金もないし、ビジネスアイデアもなければ、特別なスキルもない。そんな風に悲観的に考えて、アクションを起こすことをあきらめてはいけません。
それらすべてを補うことも可能なのが“人脈”です。
世の中がどう変わっても、頼りになる人脈を持っている人は強い。年齢が上になると、交際範囲を限定する人がいますが、絶対にもったいないです。
自分1人ですべてを満たす必要はありません。自分の欠点を補ってくれる人と組めば解決する問題です。あのスティーブ・ジョブズだって、技術力のあるスティーブ・ウォズニアックと、資金力のあったマイク・マークラの3人でアップルを創立しました。
もし、あなたがいいアイデアを持っているのに、営業能力がなくて、販路が作れないとします。でも、世の中には営業スキルは高いけど、たまたま現在の勤務先の商品には魅力を感じていない人もいるかもしれません。