じつは「会社員でいること」は得
バブル経済の頃には、世の中の流れに乗り遅れたら損だと考えた人々が、銀行からお金を借りてまで不動産や株に投資しました。
その結果、高値でつかんだ人ほど大きな被害を受けた。損得を見極めるには、いろんな角度で眺めることが大事です。
たとえば、貧乏クジを引かされたような仕事が回ってくることはないですか?
誰かの代理の役目であるとか、誰かの補佐に回るような仕事です。でも、見方を変えればチャンスであり、得かもしれません。
代理の仕事はそつなくこなすだけで合格点がもらえます。補佐する相手は仕事ができる人間が多いので、そのやり方を間近に学ぶこともできるでしょう。
目先の利益だけを追わずに、長期的な視点を忘れないでください。
じつは会社員でいることが、すでに得なのです。ファーストリテイリング代表取締役会長兼社長、柳井正氏の著書『一勝九敗』(新潮社)は、起業家よりも会社員にこそ当てはまります。
体験に勝る一次情報はない
ベンチャービジネスや投資で、9敗できるだけの損に耐えられる人は少ないでしょう。でも、会社員なら9敗が許される環境がある。損することを経験できます。
そして大きな1勝をあげれば評価される。いまは失敗続きでも損だけとは限りません。
もし、自分に能力がないと思うなら、情報を発信して役に立つことを考えてみましょう。面白い遊び場、美味しいお店のネタをそこそこ握っていれば職場でも人気者になれます。
やはり、体験に勝る一次情報はないのです。自分自身が面白かった、美味しかったというデータは、1番確実でしょう。
知人の料理評論家・山本益博さんと一緒に食事をしていると、よく彼に問い合わせの電話がかかってきます。「いま横浜にいる人」からお勧めの店を聞かれ、いつも彼はていねいに教えていますからね。