資産を増やすにはどうしたらいいのか。『月3000円からはじめる新NISA超入門』(アスコム)の著者で、ファイナンシャルプランナーの横山光昭さんは「少額からでいいので、新NISAを活用して積立投資をしてほしい。株価の暴落時でもコツコツ積み立てることで資産は育っていく」という――。

※本稿は、横山光昭『月3000円からはじめる新NISA超入門』(アスコム)の一部を加筆・再編集したものです。

東京証券取引所の日経平均株価を表示する電光掲示板(2025年3月11日、東京都心)。
写真=AFP/時事通信フォト
東京証券取引所の日経平均株価を表示する電光掲示板(2025年3月11日、東京都心)。

貯金派だった36歳会社員

「月3000円投資を始めて4年。気がついたら、プラス110万円になっていました」

それまでまったくの投資未経験だった都内在住のHさん(36歳・会社員)は、今では資産を大きく増やしプラス110万円に。投資信託で築いた総資産は、約300万円です。

彼女が投資を始めたのは、新NISAが始まる前、旧NISA(つみたてNISA)制度だった2019年のことです。

「最初は本に書かれている通り、貯金から少しずつ投資信託に回していきました。とにかくリスクを抑えたかったので、買う投資信託は一番リスクが少ないと言われている全世界型を1つだけ買いました。投資信託の積立設定をしたら、あとはそのまま。年に1回か2回、サイトにログインして、どうなっているかを見る程度です」

【図表1】36歳女性 Hさんの実績
出所=『月3000円からはじめる新NISA超入門』(アスコム)

Hさんは、20代から貯めてきた貯金を投資に回すことにし、月1万円ほどの積立から始め、最終的には月3万3000円を積み立ててきました。株価が好調な時期だったことも功を奏し、結果としては、約187万円の投資額が、今では296万円以上に。

投資信託1本だけを選び、コツコツ積み立てる。この単純な方法で、思ってもいなかったほど成果を出すことができたHさんは、「これだけ増えるとは思っていませんでした。投資を始めるのに迷っていた時間がもったいなかったです。もっと早く始めればよかった」と言います。

「新NISAをやらない人」の理由ランキング

新NISAが始まったとはいえ、いまだ多くの人が投資に対して不安や疑問を抱えています。実際に私は、日々多くの家計相談に乗っていますが、「投資は難しい」「投資は怖い」「投資でお金が本当に増えるの?」といった声をよく耳にします。

また、私が新NISAに関する率直な意見を300人の未経験者にアンケートを取ったところ、投資を始められない理由のランキングは図表2のようになりました。

【図表2】投資をはじめられない理由、ランキング
出所=『月3000円からはじめる新NISA超入門』(アスコム)

さらに、アンケートからは「新NISAならお金が増やせると言われても信じられない」という声も多くみられました。

突然、新しい制度が始まり、周りが投資に興味を持ち始め、自分だけが取り残されているような不安を感じている方も多いでしょう。今まで投資について考えたこともなかったのに、急に決断を迫られているような気持ちになるかもしれません。