※本稿は、下内昭人『目の健康寿命』(日刊現代)の一部を再編集したものです。
「8割の情報」を視覚から得ている
ものが見えづらい、ぼやけて見える、目が乾いてゴロゴロする……些細な目の違和感をみなさんは放置していないでしょうか?
「視覚」から得る情報は外界から得る情報の8割にも及ぶといわれています。
目から入る情報が遮断されてしまうと、私たちの生活はどうなるでしょうか。まず自分の身の回りのことを行うことすら難しくなり、歩くことや体を動かす機会が減って、身体的な衰えが加速してしまう恐れがあります。とくに運動不足はさまざまな目の病気に関連することが報告されており、生活習慣病にもなりやすくなるでしょう。
また、視覚からの情報が制限されることで、脳への刺激が少なくなり、認知機能の低下やうつ病の発症につながることもわかっています。そして、その影響は個人のみならず、家族や周囲の人々の生活にも及んでしまうことは想像に難くありません。
人類史上かつてないほどの「超近視時代」に突入
目の健康は、私たちの生活全体に大きな影響を与えているのです。
そして、現代社会の特徴が目の問題をさらに複雑化させています。
現代人の生活様式は、かつてないほど視覚に依存しています。あらゆるデジタル機器を駆使し、絶え間なく情報や映像に触れ、文字を入力するなどの作業を日常的に行っています。
しかし利便性が高まる一方で、目を酷使する時間はどんどん増え続けています。人類史上、かつてないほど近くを見る「超近視時代」に入っているといっても過言ではありません。こうした背景から、目の病気の発症リスクは年々高まっているのです。
とくに近年は、目の不調を加速させる要因が多く見られます。たとえば、リモートワークの普及、生活習慣の変化、全身疾患の影響などです。目の不調や病気は、さまざまな要因が複雑に絡み合って起こるのです。
ここで、失明リスクの高い4大疾病を紹介しましょう。