首のインナーマッスルを活性化するエクササイズ
インナーマッスルは、意識しなくても姿勢を支えてくれる、まさに「縁の下の力持ち」のような存在です。このインナーマッスルを活性化することで、神経を通じて体が自然と良い姿勢をとれるようになるのです。
インナーマッスルを意識するエクササイズに加えて、重力を感じながら体を動かすことで、反射的にインナーマッスルが働き、より効果的に姿勢復元を促します。
まずは、鼻できれいな円を描くように、ゆっくりと頭を回していきます。この時、目印を一点に見つめ続け、視線は動かさないようにしましょう。左右それぞれ10回行います。
次は、床に四つん這いになります。頭が背骨の延長線上にあるように姿勢をとります。耳の下を軸に、首の骨を1本ずつゆっくり曲げていきます。あごを胸に近づけるように、ゆっくりと頭を下ろしていきましょう。今度は逆の動きで、首の下から首の骨を1本ずつ伸ばしていくイメージで、ゆっくりと頭を上げていきます。ゆっくりと左右に10回行ってみましょう。
最後は、正座やイスに座り、タオルを両手で持ち、頭の上にかけます。タオルを下に引っ張る力に抵抗するように、頭を真っ直ぐ上に伸ばしていきましょう。この時、頭の後ろが気持ち良く伸びているのを感じてください。これを10回繰り返します。
いかがですか。もう一度、体の感覚を感じてみましょう。首の後ろの緊張が和らぎ、動かしやすく軽くなったように感じたらOKです。
簡単ではありますが、知識と実践法をご紹介いたしました。
これらの要素は、それぞれが独立しているのではなく、互いに密接に関係し合いながら効果を発揮します。感覚を入れることで、体の状態を正しく認識できるようになり、インナーマッスルを効果的に使えるようになります。
また、インナーマッスルが活性化することで、感覚もより研ぎ澄まされていくという好循環が生まれます。この3つの要素をバランス良く鍛えていくことで、「感覚→神経→筋肉」という反射の経路が活性化され、最終的には「自然と正しい姿勢になる」という素晴らしい結果に繋がっていくのです。
私は、理学療法士として働き始めてからも、思うように患者さんの症状が改善しない時、悔しい思いを何度もしました。「どうしたらもっと良くなるのか」と必死に勉強し、試行錯誤を繰り返しました。
そして、患者さんの回復に共に喜び分かち合い、感謝の言葉をいただいた時の喜びは、何物にも代えがたいものでした。これらの経験を通して得た知識や技術、試行錯誤の過程が、この姿勢を良くするための内容に繋がっています。
「姿勢」という言葉には、体のかっこうだけでなく、「態度」という意味もあります。外見の姿勢と内面の姿勢は、切り離すことのできない関係にあるのです。皆様が心と体の両面から、より良い人生を歩むためのヒントを見つけていただければ、これ以上の喜びはありません。