まずは首の軸を知ろう
長時間のデスクワークや猫背などの悪い姿勢によって、首や肩、胸の筋肉は緊張し、本来の感覚(※五感のほか、位置覚や運動覚、平衡覚などのこと)が鈍ってしまっています。感覚を意識することで、脳への入力がよりスムーズになり、反射(※脳が体の状態を感知し、無意識に筋肉に指令を出し、姿勢を調整するシステム)が働きやすくなります。
まずは、緊張した筋肉を優しくほぐし、体の各部位からの感覚を呼び覚まし、感覚のスイッチをONにすることが重要です。
ストレートネックの場合は、まずは「首の軸を知る」ことから始めましょう。軽くあごを引いてから、首をゆっくりと前に曲げていきます。この時「首の骨は耳の下から始まっている」ことを意識してみましょう。
耳の下を軸に、そこからまるで首の骨を1本ずつ丁寧に曲げていくようなイメージで、ゆっくりと頭を下ろしていきます。あごを胸に近づけるように、真下を見ましょう。今度は逆の動きで、首の骨を1本ずつ伸ばしていくイメージで、ゆっくりと頭を上げていきます。額とあごが床と垂直になるまで、丁寧に頭を戻しましょう。
親指2本でできる簡単トレーニング
ただ闇雲に体を動かすのではなく、体の感覚に意識を集中することがポイントです。特に、重力を感じながら体を動かすことで、より効果的に姿勢調整システムを活性化できます。
ストレートネックは、「うなずく」ような小さい動きを繰り返すことで、感覚を入れます。額とあごのラインが垂直になるようにあごを軽く引き耳の下を支点に、頭が背骨の上に自然に乗っている状態を意識します。正座やイスに座り、両手の親指を重ねてあごに軽く当てます。
親指で軽く抵抗を加えながら、「ウンウン」と小さくうなずくように頭を前後に10回動かします。耳の下を軸に、首の下の部分が曲がらないように、あごの小さな動きを意識しながらゆっくりと動かします。喉仏のあたりが優しく収縮するのを感じながら行いましょう。