※本稿は、安部敏樹『みんながんばってるのになんで世の中「問題だらけ」なの? 知識ゼロからの社会課題入門』(NewsPicksパブリッシング)の一部を再編集したものです。
以下は、安部さんと「おば」(架空のキャラクター)との会話の一部である。
親に頼れない子どもたちの暮らし方
【おば】親に頼れない子どもたちはさ、行き先としては施設しかないの? ほら……「赤毛のアン」みたいに養子になるとか、里親とかあるんじゃないの?
【安部】里親も養子の制度もあるよ。今の日本の社会的養護の子どもたちの約8割は施設で育ってるけど、国はより家庭的な環境で育てるように、里親や特別養子縁組を増やしていく目標を立ててはいる。子どもたちはあくまで、里親の家で一緒に暮らすので、施設より、一般的な家庭と同じ環境で育つことができるよね。
【おば】家庭に入るってことは、そこでずっと暮らせるの?
【安部】親権は実親が持っているので、短ければ数日、長ければ10年以上。預かる期間はさまざまだね。ただ、里親も国の制度で養育費などが支給されるのは18歳まで。
条件によっては最長20歳までだけど、そこからは里親と子ども、個人同士の関係性になる。ただ、施設よりは一対一の関係性が築けるから、「18歳になったら出ていけ」、とはなりにくい面もある。「就職が決まるまではいていいよ」とかさ。
【おば】たしかに。国からお金ももらえるんだね。
【安部】うん。里親も施設と同じで、戦前から、身寄りのない子どもを家庭に迎え入れて家族同然に育ててきたものを、国が後から制度にしていったんだよね。
里親になりたいと思ったら
【おば】里親になりたいと思ったらどうすればいいの? たとえばの話、私が「行くとこないならうちにおいでよ」みたいなテンションで里親はできないわけでしょう?
【安部】さすがにそういう軽いテンションではできないね。里親になりたいと思ったら、児相に行って、面接や家庭訪問、研修を受けて里親認定をもらわなきゃいけない。逆に言えば、認定さえもらえればおばちゃんでもできる。認定をもらうには一定の条件があるんだけど、里親を増やすために、東京などを中心にだいぶ緩和されてきているんだよね。
【おば】そうなんだ。どんな条件?

