日本の運転試験場に外国人が殺到していると話題になっている。一体なぜなのか。自動車生活ジャーナリストの加藤久美子さんは「ロシアや中国など、日本で有効な運転免許証を持っていない外国人が、自国の免許証を日本の免許証に切り替える外免切替を利用しているからだ」という――。
「外免切替」が注目を集めている理由
「ホテルの住所で日本の免許が取れる」
「夜中から試験場前に長い行列が!」
「試験はたった7問正解で合格」
日本国内で外国人ドライバーによる重大事故が続いたことで、昨年9月頃からさまざまなメディアが「外免切替」のイージー過ぎる(と言われる)取得方法について取り上げるようになった。
「外免切替」とは、外国人が自国で取得した運転免許証を日本の免許証に切り替えることである。一度日本の免許を手にすれば、更新などの手続きもすべて日本国内で日本人と同様に行う。また、「切替」といっても外国免許はほとんどの国で返納の必要がないため、自国に戻ればこれまで通り運転免許としてそのまま使うこともできる。
ロシア人も中国人も日本で運転可能に
一般的に、外国人観光客が日本でレンタカーなどを運転する際には、自国で取得した国際免許で手続きを行う。国際免許証は主にジュネーヴ道路交通条約とウィーン交通条約の様式で発給されるが、日本で有効なのは「ジュネーヴ様式」の国際免許証だけ。
例えばロシアはジュネーヴ条約の締約国ではあるが、ロシアで発行される国際免許証はジュネーヴ様式ではない。となると、日本では「無効な国際免許」となるため、レンタカーなどを借りることはできない。
しかし、ロシアやセルビア、ルワンダなどのようにジュネーヴ条約様式の国際免許を発行できない国や、そもそも締約国ではない中国やベトナムなどから来た外国人でも、日本で合法的に運転できる方法がある。
それは、外免切替制度を使って日本の免許を取得することだ。国際免許は基本的に有効期間が1年だが、日本の免許を取得すれば最初の有効期間は3年となる。頻繁に日本に来る外国人にとってはありがたい制度だろう。
また日本の免許を取得すれば、約100カ国で運転できる国際免許も2400円程度で取得可能だ。