住まいやお金など家族を守るための完璧な防御法はあるか。仕事や職場の揉め事に遭遇したときの対処法とは。よもやのトラブルから身を守るために法律の知恵を味方につけよう。
屋根の損傷
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自然災害における不可抗力免責のハードルは高い

自宅の庭に生えていた老木が台風で倒れ、隣家に被害を及ぼしたら、修復には、誰がどう責任を取るのでしょうか。

民法717条では、土地の工作物の設置または保存に瑕疵かしがあって、それが理由で他人に損害を生じさせたときには、被害者への賠償義務を課しています。この条文は、「竹木の栽植または支持に瑕疵がある場合」についても準用されます。つまり法的には工作物も樹木も同じ扱いなのです。

2015年の宇都宮地裁の判決は、まさに台風で杉並木の大木が倒れ隣家の屋根に損害を与えた事例で、破損した建物の修繕費用を支払うよう命じています。この木は、外見上は正常な樹木との区別がつきにくかったのですが、幹の内部は腐朽、空洞化していたため、裁判所は支持に瑕疵があったと判断をしました。