管理職の「罰ゲーム化」を修正する4つのアプローチ

最後にご紹介したいのが、第13位の『罰ゲーム化する管理職』。パーソル総合研究所上席主任研究員、小林祐児さんが、管理職の「罰ゲーム化」を修正する方法を示した一冊です。

小林祐児『罰ゲーム化する管理職』(集英社インターナショナル)
小林祐児『罰ゲーム化する管理職』(集英社インターナショナル)

残念ながら、現代日本において「罰ゲーム化する管理職」という言葉に違和感を抱く人はほとんどいないでしょう。実際、パーソル総合研究所の国際調査によると、日本における「管理職になりたいメンバー層の割合」は21.4%で、他の国に大差をつけて最下位。多くの人が“管理職の罰ゲーム化”を体感しているからこそ、管理職になりたがらないのでしょう。

とはいえ、この惨状を放置するわけにはいきません。小林さんは本書で、管理職の「罰ゲーム化」を修正するためのアプローチを4つ紹介しています。

(1)フォロワーシップ・アプローチ:管理職の部下であるメンバー層へのトレーニングを増やす

(2)ワークシェアリング・アプローチ:管理職の役割を変更したり共有したりすることで、全体の役割や業務量を調整する

(3)ネットワーク・アプローチ:管理職同士のネットワークを構築し、社内に相談し合える相手がいる状態をつくる

(4)キャリア・アプローチ:会社の昇進構造や選抜の在り方を変更する

さて、あなたの組織はどのアプローチから着手しますか? 経営層や人事担当者はもちろん、「来年こそ昇進“してしまう”かもしれない」「マネジメント経験はほしいけど、この会社で昇進するのは正直気が重い」と感じている人にも一読をおすすめします。

続いて、2024年の人気著者ランキングです。今年特によく読まれた著書と一緒にご紹介します。

「2024年の人気著者」ベスト10&2024年の人気要約

第1位:有川真由美
なぜか話しかけたくなる人、ならない人』(PHP研究所)
第2位:内藤誼人
イライラ・不安・ストレスがおどろくほど軽くなる本』(明日香出版社)
第3位:樺沢紫苑
精神科医が教える 幸せの授業』(飛鳥新社)
第4位:中野信子
新版 科学がつきとめた「運のいい人」』(サンマーク出版)
第5位:安達裕哉
頭のいい人が話す前に考えていること』(ダイヤモンド社)
第6位:枡野俊明
人にも自分にも振り回されない動じない心のつくり方』(SBクリエイティブ)
第7位:田尻望
なぜ、あの人は仕事ができるのか?』(すばる舎)
第8位:三宅香帆
なぜ働いていると本が読めなくなるのか』(集英社)
第9位:松橋良紀
聞き方の一流、二流、三流』(明日香出版社)
第10位:小林弘幸
はじめる習慣』(日本経済新聞出版)

※本の要約サービス「flier」の有料会員を対象にした、2024年の閲覧数ランキング