「ソーシャルメディアからの自社サイトへのアクセス数を、ポータルサイトの広告料金に置き換えると、媒体価値は約4億円になります。一般のお客様がコンビニのウェブサイトを訪れる機会は少ない。メディアごとに『店舗を出店する』ことで、より多くのお客様と接点をもてればと考えています」(白井氏)
メディアによって特性が異なるため、使い分けも行われている。ツイッターは素早く伝えるのに適しており、1日5~6回は投稿する。フェイスブックは仲間内での拡散性に優れているが、利用者は都内に集中。不慣れな利用者も多いため、投稿は1日1回に抑えている。一方、「モバゲー」や「グリー」は携帯電話からの利用者が多く、地方在住のユーザーに効果的だという。
ソーシャルメディアの展開には、広告金額やアクセス数には置き換えられない効果もある。顧客に対して、「先進的」「目新しい」といったイメージをアピールできるからだ。
「ローソンは30代男性が中心というイメージが強い。女性の支持を増やすためにも、『いち早く面白いことをやっている』と印象づけたい」(白井氏)
ローソンは11年6月にフェイスブックの新サービス「チェックイン・クーポン」を導入した。これは、近くの店や建物を知らせる「チェックイン」の機能を使って、携帯電話などから割引券を取得できるサービスだ。ローソンは国内初導入の14社の1社になっている。
白井氏は、取材の最後に、「ソーシャルメディアには、顧客開拓の点で無限の可能性がある」と話した。活用はさらに進んでいくだろう。
(遠藤素子=撮影)