架空の女子大生が「4億円」を稼ぐ

CVSグループ 広告販促企画部 
白井明子 

1976年生まれ。2008年法政大学大学院経営学研究科を修了。99年ローソン入社。営業を経て、広告販促企画部。現在はエンタテインメント・web分野の広告販促を担当。

架空のキャラクターを活用することで、こうしたリスクに対応している企業がある。コンビニ大手のローソンでは、社員ではなく、「あきこちゃん」というキャラクターを使って情報発信を行っている。コンセプトは「みんなでつくるソーシャルメディアネットアイドル」。「生みの親」である広告販促企画部の白井明子氏はいう。

「あきこちゃんには、『役者』として活躍してもらっています。キャラクターを立てれば、担当者が変わってもやりやすい。利用者の声をどんどん取り入れていくことで、愛されるキャラクターづくりを目指しました」

きっかけは新浪剛史社長の「うちもツイッターをやろう」という指示だった。当時、白井氏はツイッターについてほとんど知らなかったが、専門家に助言を求めるなど2カ月間で準備し、10年4月に開始した。

誰が発言をしてもぶれがないように、当初から「20歳の大学2年生」「都内で一人暮らし」「滋賀県出身」といった設定や「どんな顔文字を使うか」「どんな言葉遣いか」といったポリシーが詳しく決められている。その一方で、開始時のイラストは「後ろ姿」のみで、後から「顔」のイラストをネット上で公募するなど、「人格をみんなでつくる」(白井氏)ことで、利用者との距離を近づける工夫がされている。

ローソンでは、ツイッターやフェイスブックをはじめ、複数のソーシャルメディアに公式アカウントを開設している。利用形態にもよるが、基本的に大きな投資が必要となるものはない。専任のスタッフはおらず、通常業務と並行して情報発信を行っている。だが効果は大きいという。