こうすれば相手はみるみる前向きになっていく

■ステップ1:相手の気持ちを理解し、それを認める

これは容易ではないかもしれない。相手の気持ちをさらに後ろ向きにさせているように感じるかもしれないからだ。だが、気持ちを理解したからといって相手に同意したり、相手の後ろ向きの気持ちを正当化したりすることにはならない。こちらが気持ちを理解していることを、相手に知らせているだけなのだ。

■ステップ2:同意できる部分を見つける

すべてに同意する必要はないが、できれば相手が感じていることの一部に同意しよう。相手の不満の一部に共感できる場合は、どの部分に共感できるかを相手に知らせよう。

ステップ1とステップ2の間、あなたは相手に反論する形でではなく共感する形で後ろ向きに対応していることになる。これによって相手は気持ちを和らげ、心を開く。相手に自分は孤立無援ではないし、上司は実態を把握していないわけではないと感じさせる効果もある。

私は妻に、それほど悲観的になるべきではないと言う代わりに、私も彼女と同じもどかしさを感じていること、また、それにどう対処すればよいか私も途方にくれ、無力感を感じることを伝えた。それは全部本当のことだった。「気持ちはわかるよ」と言うだけでなく具体的に伝えることが必要なのだ。

■ステップ3:相手が前向きな感情を持っている対象を見つけて、その感情を強化する

これは前向きになるよう相手を説得しようとすることではない。相手が示す前向きな感情に関心を示すということだ。相手はおそらくなんらかの前向きな感情を示しているはず。100%後ろ向きな人間などめったにいないからだ。万が一相手が100%後ろ向きな人間だったら、前向きな姿勢を示した人間をあなたが支援しているところをその人物が目にするような状況をつくろう。前向きな感情に対して前向きな関心を示して、現実的な希望を与えるのだ。自分の考えを押しつけるのではなく、相手がすでに持っている前向きな感情をベースにする。