中間世代も認めてもらいたい

また、部下がこの世代くらいになると、上司も「今さらそういうこと言わなくてもいいでしょ」と思って、労をねぎらう、褒める、感謝を伝えるといった関係欲求を満たすコミュニケーションが疎かになっていきます。

しかし、若手も中間世代も年長世代も、認めてもらいたい気持ちは同じです。

プレイヤーとして中核業務を任され、管理職として慣れないマネージャー業務も担当させられ、業務量と責任が格段に増えた中でも何とか頑張っているのに、上司は労をねぎらうこともなく、褒めもしないし、感謝も伝えない。

加えて、このカテゴリーの人は同世代の上位ほど優れた成果を収められておらず、認められる機会も多くないため、自分はどう思われているのかがより気になります。

「仕事の量がずいぶん増えたから大変だと思う。でも本当によく頑張ってる」

そんな一言があれば、業務量と責任が増え、ストレスフルな状態だったとしても、不満をぐっとこらえて頑張れたりするものです。

そのため、労をねぎらう、褒める、感謝を伝えるといった関係欲求を満たすコミュニケーションは、中間世代の部下であっても疎かにしないことです。

握手するビジネスマン
写真=iStock.com/koumaru
※写真はイメージです

さまざまな切り口から感謝を伝える

また、認められる機会が多くはないからこそ、上司の関わり方によっては、「自分は本当に必要とされているのかな」「一歯車としていいように使われているだけなのかも」と感じることがあります。

そうならないよう「うちの会社にとってあなたは大切な存在なんだ」という旨のメッセージを伝えることが重要です。これは同世代の下位の人にも当てはまります。

例えば、「あなたが現場を明るくしてくれてるから、みんなが働きやすいんだよ」「こまやかな気配りをしてくれて、会社としても本当に助かっている」「みんなお前と飲みに行くのが好きなんだよ」など、さまざまな切り口から伝えることは可能です。

そして、「この会社の人は、自分のことを特別に思ってくれている」と感じてもらえると、それが離職を思い止まらせる力となります。