「老眼鏡を使うと老眼が余計に進む」はウソ

もし放置をし続けていたら、目のピントを合わせる機能を酷使することになり、あっという間に眼精疲労になってしまいます。

眼精疲労は目の疲れにとどまらず、頭痛、肩こり、吐き気などの全身症状へとつながり、深刻化します。そうなっては、仕事どころではありません。

「でも、老眼鏡を使うと老眼が余計に進んじゃうでしょ? それがイヤなんです」

こんな声をよくいただきます。

でも、それは非常に多い誤解です。老眼鏡をかけたからといって、そのせいで老眼が進行するということはありえません。

老眼とは老化現象の一種ですから、個人差はあるものの誰でも徐々に進むものです。

つまり老眼鏡をかけてもかけなくても、老眼の進行スピードは変わらないわけです。

それなら「視えづらい」「目が余計に疲れる」といった不快感を抱えながら過ごすよりも、頻繁に老眼鏡を変えたとしても、きちんと矯正した「視えやすい」状態で過ごすほうが、あなたの人生にとって“得”になると思いませんか?

眼鏡を試着している男性
写真=iStock.com/Zorica Nastasic
※写真はイメージです

「100円老眼鏡」=サンダル履きでマラソンするようなもの

ただし、老眼鏡といっても「100円均一」のお店で扱われている「100円老眼鏡」には気をつけてください。

眼科での診察・測定を経て処方箋を出してもらい、それをもとにメガネ屋さんでつくってもらった老眼鏡と、「100円老眼鏡」には天と地ほどの差があります。

(このとき、眼科を受診することで「目に潜む病気がないか確認してもらえる」というメリットがあります。老眼だと思って眼科を受診したら、実は片目が緑内障で失明寸前だったというケースは、実際珍しくありません)

たとえていうと「100円老眼鏡」とは簡易的なサンダルのようなもの。

それに対して、眼科を経てメガネ屋さんでつくってもらった老眼鏡は、ランニングシューズのようなもの。

サンダル履きでマラソン大会に出場する人は、いないはずです。うまく走れませんし、足が豆だらけになってしまうでしょう。

ランニングシューズでないと、マラソンなんてできません。

それくらいの差があると認識してください。