夜間に熟睡するためにはどうすればいいか。上級睡眠健康指導士の角谷リョウさんは「寝る3時間前までには夕食を済ませたほうがいいが、空腹で眠れない場合は、ちょっとした甘いものを食べると寝付きがよくなる。また、非常に重要なのがベッドの大きさだ」という――。

※本稿は、角谷リョウ『超熟睡トレーニング』(Gakken)の一部を再編集したものです。

ベッドで就寝
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胃が「消化中」だと眠りづらい

スムーズな眠りに入るには、胃の中の状態がどうなっているかが重要です。

胃の中に食べ物が入っていると、体は覚醒した状態になります。なぜかと言うと、胃液を出して消化した食べ物を、十二指腸に送る役割を果たさないといけないからです。

いざ寝ようとしたときに、食事からあまり時間が経っていないと、胃が活発に活動している状態になってしまい、眠りづらくなるわけですね。

だからスムーズな入眠をしたいのであれば、寝ようとしたときに食べ物がすでに胃を通過した状態であることが大事なんです。

胃さえ通過してしまえばOK。なぜかと言うと、体内に栄養を摂り込む小腸や、排便に関わる大腸は、副交感神経優位で寝ているときのほうがスムーズに活動するからです。これらの臓器はむしろ、起きているときはさほど活発に活動しないんです。

だから寝るタイミングで、食べ物が胃にあるのか腸にあるのかが重要なのです。

焼肉を食べるときは夕方からスタート

胃を通過する時間は食べ物によって異なります。肉や天ぷらなど消化の悪いものは、胃を通過するまでに3時間くらいかかりますし、逆に軽めの豆腐や春雨などは1時間程度で通過していきます。

意識が高くて睡眠の質にこだわる人はこの理屈をよくわかっていて、自分の寝る時間を逆算して食べ物を選んでいます。そういう人たちの間では、肉を食べるんだったら、寝る3時間前に食べるというのは常識になっています。実は私も焼き肉が大好きなんです。だからできるだけランチで食べるようにしています。

でも夜に食べたくなるときもありますよね。そんなときは夕方5時とか6時とかに、焼き肉屋さんに入ります。消化に時間のかかるヘビーなものを食べたいとき、夕食の時間を早めに設定するのは、快眠のためには必須です。

食べ物が腸に滞在する時間は長いので、消化のいいものを食べたとしても、消化の悪い肉やてんぷらと同様に寝る3時間前までに食べておけば、寝たい時間には腸に食べ物がある状態にできます。よって食べ物によらず、寝る3時間前までに食事を済ませるといいでしょう。