「2人で140cm」では疲労がたまってしまう

結局、人は狭いとリラックスできないんです。たとえばダブルは2人で寝ることを前提にしていますが、その幅は140cm程度。シングルは100cmなのに、2人で140cmだと、1人あたり70cmなので狭すぎます。

男性の場合、普通に寝たら100cm、つまりシングルいっぱいの幅が必要になります。そうすると、女性に残されるのはわずか40cmしかありません。40cmの狭さでは、自由に寝返りも打てません。寝返りを打たないと、血流が悪くなって疲労がたまってしまいます。

だから、大事なのはマットレスの広さであって、高級かどうかはあまり関係がないんです。寝室で2人で寝る場合は、50万円の狭いダブルベッドよりも、8000円のシングルベッド2台のほうがはるかに睡眠の質はよくなります。

見落とされがちな「広さ」ですが、これがいちばん重要なのです。

ダブルベッドとシングルベッド
写真=iStock.com/klyaksun
※写真はイメージです

「+20cm」の選択で人生は大きく変わる

できればセミダブル(約120cm)に1人で寝るのが理想です。快適な寝返りを打つには、セミダブルくらいの広さがあったほうがいいからです。ちっちゃな布団はあくまでも、仮眠用と考えてください。

角谷リョウ『超熟睡トレーニング』(Gakken)
角谷リョウ『超熟睡トレーニング』(Gakken)

「寝るだけだから狭くていいじゃん」と考えるか、睡眠は1日の3分の1も過ごすことになるから、それを快適にしたほうがいいと考えるか。ここにどういう価値観を持つかは、とても重要です。

広いベッドは一見すると無駄に感じるかもしれません。ベッドが広くなると部屋が狭くなってしまいます。でも、シングルをセミダブルに変えることで、20cm分、寝返りを打てる幅を増やすことができれば、それで得られる快適さは相当なものがあります。

部屋が狭くなることよりも快眠を優先するという考え方ができれば、人生が大きく変わっていくことでしょう。

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