この世のあらゆる物質は、粒子と波の性質をあわせ持った「量子」というとても小さいエネルギーでできている。人間の体も例外ではない。量子力学を独学で学び、「まこちん」の名前で発信している田畑誠さんが、その不思議な世界を解説する――。

※本稿は、田畑誠(まこちん)『宇宙一わかりやすい「量子力学」大全 目に見えない世界を味方にして人生を好転させる56の法則』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。

ジュエリー
写真=iStock.com/cobalt
※写真はイメージです

肉体は役目を終えるとどうなる?

「量子力学的にいうと、私たちは死んだらどうなるの?」

こんな質問をよくいただきます。一言でお答えすると、ズバリ“再利用”されます。

地球での人生を楽しみ切ったあと。あなたの体は素粒子にまで分解され、それはいつかまた、宇宙のどこかでリサイクルされることになっています。

宇宙ではそんな営みが、ずっと繰り返されています。この循環は、仏教でいうところの“輪廻転生りんねてんせい”の考え方にどことなく似ていますよね。

なんといっても輪廻転生とは「生命が死後、再び新たな存在として生まれ変わる」という概念ですから。もちろん、それがいつになるのか、何に再利用されるのかについてはまったくわかりません。

数億年あとに、別の惑星の生物の細胞の一部として生まれ変わるかもしれません。どこかの星を覆うガスの一部になるかもしれません。

面白いのは、リサイクルされるたびに「前世の記憶はリセットされる」という点です。

「前世の記憶が(断片的に)ある」という人も中にはいるかもしれませんが(混乱を避けるためにも)基本的には消える仕組みになっているようです。

では、人間は何のために生きているのか

そう考えると、やはり僕らの心身は宇宙そのものだと思えてきませんか。だって僕らはみな、宇宙全体で138億年前から使いまわされてきた“リサイクル品の寄せ集め”みたいなものなんですから……。

「じゃあ、人間が生きる意味っていったいなんですか?」

こんな質問も、数多くいただきます。

物理的に考えると、その答えはシンプルに「地球上でいろんな体験をするため」です。

そこにはいいも悪いもないし、意味もない。“使命”みたいなものもありません。もしあるとすれば、あなたの使命は「人生を楽しむこと」でしょう。

確実にいえるのは、僕たちは「体験することを、ただ楽しみに地球上にやってきた」ということ。いろんな行動をしたり、喜怒哀楽さまざまな感情を味わったりしに来ただけなのです。

そこには“失敗”や“困難”なども含みます。「失敗したときってどんな感情が湧いてくるのか」「そこからどうすればリカバリーできるのか」、それらも体験したいからです。

当然、無意識下では「自分の願いを叶える体験」も、望んでいます。何を願い、望んでいるかは、人それぞれ。ですが「どうすれば、願いを叶えられるのか」という試行錯誤を重ねることを、地球に楽しみにやってきているわけです。