放射光施設は世界で鎬を削っている半導体産業や電気自動車などの研究開発には必須の施設だ。半導体ならナノレベルの回路構造の欠陥を探ったり、電池開発では電池内部の化学反応を可視化したりして、性能の向上を高める武器になるからだ。スプリング8とナノテラスができたことで、日本のハイテク素材開発に弾みがつくと期待されている。

ナノテラス内部
筆者撮影
放射光を試料に当てるビームラインの仕様は調べる試料ごとに微妙に違う。

「言うは易く行うは難し」の産官学連携

ナノテラスがユニークなのはその運営方法だ。

施設の設置者は国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構(QST)であり、それに加えて宮城県、仙台市、東北大学、東北経済連合会、ナノテラスの整備、管理運営などを手がける「光科学イノベーションセンター」、約150の参画企業などが官民地域パートナーシップを結んで、運営している。大学は東北大学だけではなく東京大学など他大学も利用するというオープンなものである。