練習方法は簡単。お風呂に入っているときや就寝前に、「今日の失敗」プラス「学んだこと」を思い浮かべてみましょう。たったそれだけですが、明日のあなたは、今日のあなたよりも成長しているはずです。

毎日1ミリでも、成長することができると思います。この1ミリが、積み重なると大きな成長につながります。

「V字回復物語」で人の心を動かす

ここからは、人が好きな話のもうひとつのパターン「V字回復物語」についてお話しします。

失敗し、どん底に追いやられたあと、何かのきっかけでV字回復する物語……一発逆転劇が嫌いな人はいないんじゃないでしょうか。

一発逆転劇で、人は何に心を動かされるか。映画で考えるとわかりやすくなります。

努力しても報われず、どんどん不幸になっていく主人公。不幸になって、さらにまた、どん底に突き落とされて……でも、ふとかけられた言葉をきっかけに名案が浮かび、ものすごい発明をする。それをきっかけに、人やお金が主人公に集まってくる……ハッピーエンド!

こういう話で、どこがミソか。不幸状態から幸福に切り替わるそのターニングポイント、つまり、V字の最も下の部分が印象に残るのではないでしょうか。

そのきっかけは、ある人の言葉かもしれません。たまたま見た、CMのワンシーンかもしれません。それをきっかけに、「もう、ダメだ!」と思っていた事態が、どんどんよい方向に向かっていく。

人は、その瞬間を共有して、「いいこと聞いた」「感動した!」と思ってくれるのです。

日常の中の「プチV字回復地点」を探してみるといい

日常生活の中に、映画のような、劇的な変化はないかもしれません。でも、「自分が変わった瞬間」であれば、いつもの生活の中にも見出すことはできます。身近な「プチV字回復」の瞬間を探すのです。

変化といっても、大きな変化である必要はありません。

● 先輩のアドバイスのおかげで、仕事が30分早く終わるようになった
● 好きなYouTuberの動画を見て、早起きするようになり自分の時間が増えた
● この本を読んで、雑談することが急に楽しくなってきた

など、日常の中の「プチV字回復地点」を探してみてください。

成長前の自分と成長後の自分、そしてその分岐点となったこと(もの)を思い返しながら、セットで考えるようにしてみてください。

ひきたよしあき『雑談が上手い人が話す前にやっていること』(アスコム)
ひきたよしあき『雑談が上手い人が話す前にやっていること』(アスコム)

たとえば、

● 商品発送の際は、商品と納品書と請求書を送っていた(成長前の自分)

● 尊敬する先輩から、「それでユーザーに感謝の気持ちが伝えられているのか?」と言われた(分岐点)

● 納品書に手書きでひと言、ユーザーへの感謝の気持ちを書くようになった(成長後の自分)

● 購入者からお礼の手紙をいただいた(プチ成功体験)

自分の成長のきっかけ、秘けつを共有された人は、きっと、「いい話が聞けた!」と思うに違いありません。

【ポイント】
失敗談に、失敗から学んだことや、立ち直ったきっかけをつけ足して、「いい話」に昇華させる。
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