人から嫌われない「自分語り」の方法

あなたにも、何かしら失敗した経験があるはず。人に話すには、ちょっと恥ずかしいかもしれませんが、思い出してみてください。

● 道に迷って、大事なプレゼンに遅刻した
● パートナーの誕生日をうっかり忘れていて、激怒された
● 電車を乗り過ごして、隣の県まで行ってしまった

というようなことが、ありませんでしたか。

自分では面白くないと思うようなちょっとした失敗談でも、十分ネタになる可能性があります。

私にもたくさんの失敗談があります。

● プレゼンの朝、緊張で胃が痛い。焦った私は、間違えて下剤を飲んでしまった
● 結婚式。ホテルオークラとニューオータニを間違えているのに気づかず会場を探していた
● 得意先の名前は、上原さん。私は交渉の間、ずっと上田さんと呼んでいた

これらの失敗談は、私の雑談の持ちネタになっています。

会議室で握手を交わすビジネスチーム
写真=iStock.com/Martin Barraud
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失敗談を「いい話」にするコツ

失敗談を、単に「失敗した話のまま」で終わらせないで、さらに話を広げ、「いい話」にする方法があります。

失敗談を話すだけでももちろんいいのですが、さらにいい話に広げることができると、雑談を盛り上げることができます。たとえば、「寝坊して、約束をすっぽかしちゃってさ」という話で、「それは、大変だったね」で終わってしまってはちょっともったいないですよね。

じゃあどうするか。失敗談+その失敗から学んだことをセットにして話す、のがポイントです。

たとえば、こんな失敗談があったとします。入社した当時、人に甘えるのが嫌いで、なんでも自分で抱えてしまっていた。ところが、だんだんと1人では仕事がさばききれなくなってしまい、ある日、会社に行くのが怖くなり、無断欠勤したことがあった。

それで仕事に大きな穴をあけてしまい、上司から厳しく叱責された。これに、その失敗から学んだこと、たとえば、「仕事には、人に甘える強さも必要」ということをつけ足すのです。

そのプラスαがあると、聞き手は、いい話を聞いて得した気分になるものです。失敗談には、「学んだこと」をプラスする。ぜひ、活用してみてください。

雑談上手はエピソードを常に考えている

もちろん、上手に話を持っていけば、たとえ単に失敗したことを伝えただけでも、聞き手が興味を持ってくれて「それでそれで?」と話が盛り上がることもあるでしょう。

最後には、「なんと! それは大変だったねぇ」などと、共感を生むこともあるかもしれません。

ただ、たったひとつ「学び」の情報を加えるだけで、共感よりさらに上、「いい話」「得した話」に昇華させることができるのです。やらない手はないですね。雑談が上手い人は、こうしたエピソードをしょっちゅう考えています。

ちょっとしたミスでさえ、学んだことを交えて話すことを習慣にしているのです。すぐにできなくてもかまいません。こうやって話のネタはつくるものなのだと覚えるだけで、力になるはずです。