「存在していなくても、芸能界は成立しています」

また、松本の所属事務所である吉本興業の中でも、松本人志に対しては冷たい対応だとFLASH(7月18日)が報じている。

「裁判が終わったからといって、本人が思うように元どおり復帰できるかといえば、それは難しいでしょう。すでに、テレビ局の編成のなかに松本が存在していなくても、芸能界は成立していますから」

一日でも早くこの裁判に決着をつけてテレビに戻りたい。視聴者に見捨てられ、忘れ去られるのは死ぬよりもつらい。そう考えているのではないか。

文春のいい分(7月18日号)を見ていこう。

松本人志の性加害疑惑で最初の記事が出てから半年あまりたった頃、松本から性加害を受けたと告白したA子さんの身辺にはさまざまな変化があったという。彼女が見ず知らずの男たちに行動を監視されていると気付いたのは2月中旬のことだったそうだ。

「ある日、私は友人と二人で新宿のカラオケボックスに来ていました。夜九時半、L字型のソファで会話していたところ、ドアの左上でコツンという音がしたので目を向けると、一眼レフの黒い影が見えたのです。その後、人影とともにサッと消えていった。レンズと目が合ったことに驚き、私は恐怖で固まってしまった」(A子さん)

全身黒ずくめの探偵が尾行していた

同じ時期から、自宅前に停車する地方ナンバーの車を見かけるようにもなった。3月以降、A子さんから相談を受けた文春編集部は、継続的に彼女の自宅周辺を監視していたという。4カ月の取材で浮き彫りになったのは、記事掲載後の早い段階でA子さんの自宅が特定され、その後も探偵業者による尾行が付いていたという事実だったそうである。

6月5日、A子さんを尾行する人間たちの動きをつかんだという。

「この日の夕方、東京都内にある彼女の自宅前には地方ナンバーの小型車が停まっていた。(中略)

A子さんが自宅を出て歩き始めると、車内から忙しなく一人の男が飛び出し、五メートル後方から彼女をつけていく。帽子にリュックを背負い、全身黒ずくめの男は左手に携帯電話を持ち、緊張感を漂わせた表情で二十分以上にわたり尾行を続けた。その間、もう一人の男が運転する小型車は、発進と停止を繰り返しながら彼女を追尾する」(文春)

全身黒ずくめで5メートル後ろからついて歩けば相当目立つ。この探偵たちは素人同然なのであろう。取材のプロ、尾行のプロの文春取材班から見れば、彼らに気付かれずに尾行するなどたやすいことだっただろう。