最初の大仕事は「魅力的な監督を探すこと」
2021年、堀江さんが「福岡県の野球の権利を手に入れたけど、やりたい人は?」と。
私はすぐ「お手伝いします」と言ったんです。学生時代はバドミントン部ですし、野球のことは知りません。でも、堀江さんが僕の地元の福岡県で何かやってくれるなら手伝いたいと思った。
当時、実際にフェニックスの経営をしたのはオンラインサロンの若いふたりでした。久留米の社会人チームを獲得しようとしたけれど、断られてしまったり、マスコミから派手に叩かれたり。それで疲れ果てた若い社長がやめてしまった。
次に、久留米でなく北九州でチームを立ち上げることになりました。そうなれば仕事もしていて、しかも、ここに暮らしている自分が何かをやらなくてはならない。それで社長になったんです。
今、堀江さんと直接会って話をするのは2カ月に一度くらい。それ以外はオンライン会議でやってます。
僕が社長になって最初にやったことは監督を連れてくること。堀江さんが「監督は大切だからネームバリューが必要だ。プロ野球の有名人をよろしく頼む」と。
何人かの球界OBに連絡をとってはみたものの、まったく無理でした。しかしその過程で今の総監督の西岡さんを紹介され、やっと引き受けていただいた。
西岡さんはレジェンドです。西岡監督に決まったとたん、「野球を教わりたい」という選手が10人、やってきました。ありがたかったです。
5チームのトップになっても、NPBには入れない
これは堀江さんも思っていることですが、野球ってキングオブスポーツなんだなと痛感しています。
たとえば私の大好きなバドミントンで全国で30番目に上手だからといっても、まったく稼ぐことはできません。一方、野球で全国で30番目に上手だったら、年俸1億円はもらえると思うんです。やっぱりキングオブスポーツです。
〈北九州下関フェニックスが参加している独立リーグはチーム優勝したからといって、NPBへ入ることができるわけではない。まったく別個の組織だ。サッカーであれば地方の新興チームであってもJリーグの傘下だ。下部リーグで優勝したら、次の段階に進み、最終的にはJ1に昇格することができる。
ところが日本のプロ野球界はそうではない。NPBはこれ以上、1軍のチームを増やすつもりはない。独立リーグのチームをNPBに受け入れる気もない。
そこで、独立リーグのチームは自分たちの道を模索するしかない。
堀江、竹森はNPBがやらないようなスポーツエンタテイメントを考えている。新しい施策を行い、アジアのチームを加えてリーグの国際化を考えている〉