古希を迎えても、人と社会の役に立っている喜びが支えに
年齢的に海外の添乗が体力的にきつくなっても、国内の仕事は次々とオファーが来るほどたくさんある。
参加者たちと同じように楽しめるわけではないが、行きたかった旅先や未踏の地に行けたり、豪華客船に乗ったり、ご当地のおいしい料理が食べられたりする。
バチカン市国・バチカンミュージアムの『最後の審判』や、イタリアのサンタ・マリア・デッレ・グラツィエ教会の『最後の晩餐』を見たときの感動は忘れられないと、森さんが言うように、役得は何かとある。
そして「本当に楽しかった。またあなたが添乗する旅に参加したい」と言う参加者からの言葉が何よりのご褒美だ。
もうすぐ古希を迎えようとしているが、立派に人の役に立ち、社会の活動に携わっている喜びは大きい。
「前職を辞めた後、あのまま何もせずに家にいたら、鬱っぽくなったでしょう。いろいろと大変なことはありましたが、添乗員になってよかったと思っています」と森さんは朗らかに笑う。
添乗員の辞め時を考えることもあるというが、当分海外や国内を飛び回る生活が続きそうだ。