添乗員のせいでなくても、参加者の立場に寄り添うこと

何らかの理由で自分も参加者も飛行機に乗れない――これは“添乗員あるある”だ。

悪天候、航空会社の機材不備や遅延などであれば旅行会社は免責になり、添乗員の責任は問われない。しかし、そうは問屋が卸さないことも。

森さんも、今年ドイツ・フランクフルトでの乗り継ぎで、飛行機が欠航。引率していた参加者たちは二つの飛行機に分かれて、最終目的地のハンガリー・ブダペストまで行くことに。森さんは最初のグループの飛行機に乗ったので、次のグループが乗る飛行機が到着し、ちゃんと自分たちと合流するまで、またもヒヤヒヤすることになる。

空港の手荷物受取所のコンベアをまわっているスーツケース
写真=iStock.com/Janice Chen
※写真はイメージです

「それだけならいいのですが、最初に到着したグループのスーツケースがロスバゲになっちゃいました。3日間スーツケースが私たちの手元に来なかったのです。荷物が届くまで、メールなどで情報を追跡するのも添乗員の役目です」

ロスバゲとは「ロストバゲージ(Lost Baggage)」の略称で、手荷物として預けたスーツケースが降機地の空港で出てこないことだ。コロナ以降、多くの空港で人手不足となった。特に乗り継ぎの飛行機に荷物を搭載しきれなくて、ロスバゲが増えているという。

繰り返すが、これは添乗員のせいではない。