総額12億ドルかけて1200本の井戸を掘る

エネルギー本部ガス事業部の上砂卓也氏は、米国から届くシェールガスの採掘レポートを、いち早くチェックするのが日課だ。シェールガスのガス井戸は掘って何も出てこないことはないが、井戸ごとの埋蔵量に多寡がある。井戸1本の採掘資金は約3億~5億円。埋蔵量の少ない井戸だと投資資金を回収できない恐れもある。資源開発ビジネスの怖さだが、上砂氏はレポート結果には過度に反応しないようこころがけているという。

住友商事 
上砂卓也 

1972年、京都府生まれ。関西学院大学法学部卒、2005年住友商事入社。米ヒューストンのSum mit Gulf Venture(石油ガス上流権益の開発子会社)President、石油資源開発部を経て現職(ガス事業部)。

「今回のマーセラスのプロジェクトでは、約10年かけて1200本の井戸を掘る予定。1本1本は大切ですが一喜一憂していたら身が持ちません」

たしかに今回は大型の案件だ。住友商事は2009年12月、テキサス州バーネット・シェール・フィールドの開発プロジェクトに参画。日本企業初のシェールガス開発への参入として注目を集め、同社は持分総開発費用に1億~1億5000万ドルを費やした。続いて10年9月、ペンシルヴァニア州マーセラスの開発への参画も発表。こちらの持分総開発費用は12億ドルに達する見込みだ。