多くの資源開発の余地がある日本の周辺海域だが、その実現には大きな問題が存在する。今国会で改正される鉱業法が、事態を打開するカギになる、と筆者は主張する。

世界第6位の海洋大国ニッポン

わが国は、世界第6位の領海・排他的経済水域(Exclusive Economic Zone/ EEZ)・大陸棚の広さを有し、これらの海域では石油・天然ガスに加えて、メタンハイドレートや海底熱水鉱床などのエネルギー・鉱物資源の存在が確認されている。

しかし、これらのエネルギー・鉱物資源の実用化・商業化には、賦存量・賦存状況の把握、生産技術の開発、開発による環境への影響の制御など、様々な課題が残されている。

これまでのところ、わが国周辺において国が物理探査を行った海域はきわめて限られている。

具体的には、2009年度までに国が二次元物理探査を行ったのは約12万平方キロメートルのみであり、三次元物理探査にいたっては約6000平方キロメートルにとどまる。

三次元物理探査は、それまでの二次元物理探査に比べ試掘ロケーション選定の精度を飛躍的に高めるものであるが、日本国内に三次元物理探査を行う能力を有する企業等は存在していなかった。

このような事情をふまえ、わが国に、海域における石油・天然ガス資源の発見を可能にする探査能力を構築し、開発活動をより計画的かつ機動的に実施することをめざして、08年2月、資源エネルギー庁所有の公船として、日本初の三次元物理探査船「資源」が導入された。

今後の日本周辺海域における物理探査は、この「資源」を活用することによって、遂行されることになる。

09年3月策定の「海洋エネルギー・鉱物資源開発計画」では、18年度までに、6万2000平方キロメートルの三次元物理探査を実施することになっている。

このように、これまで遅れていた日本周辺海域における三次元物理探査については、今後、「資源」の活躍によって、状況が打開されることが期待できる。

表1 資源探査規制の各国比較
表を拡大
表1 資源探査規制の各国比較

しかし、ここで見落としてはならない点は、わが国の資源開発をめぐっては、それ以外にも大きな問題が2つ存在することである。その一つは、わが国の海洋資源が、いわば「無防備状態」にあるという問題である。

表1は、資源探査規制について、各国の比較を行ったものである。この表からわかるように、わが国には、諸外国で実施されているような資源探査規制が存在しない。

また、探査データの提出に関する制度的枠組みもない。この結果、無秩序な資源探査活動が行われており、とくに海域では、この制度的不備につけこむ形での外国船による事実上の資源探査活動が目立っている。