お客様の言われた通りにやってはいけない
お客様から、「安いプランでいいよ」と言われることもあるでしょう。
あなたなら、その時どのように対応しますか。
やってはいけないのが「かしこまりました。もっとも安いのは……」と、求められた通りに提案することです。
営業は求められた通りにやってはいけない。
これは鉄則だと考えておいてください。
実は、求められた通りに対応すると、お客様にとって満足のいくものにならないことが多いからです。
では、どうすべきなのでしょう。
正しい対応は、「教えてもらう」、です。
「安いのでいいよ」と言われた際は、“その背景”を教えてもらいましょう。
安い薬を買いに来たのに、高い薬を買ってしまう⁉️
ここで、クイズを出しますね。
これは、私が研修で行うデモンストレーションの1つです。
シーンはドラッグストアでの一コマ。
あなたは風邪をひき、薬を買いに行きます。
まずは、シーンA。
あなた「風邪薬ください。安いのでいいです」
店員「かしこまりました。こちらはいかがですか。480円で最安値です」
あなた「では、それで」
店員「かしこまりました。こちらはいかがですか。480円で最安値です」
あなた「では、それで」
いかがですか。特に不満はないはずです。
でも、次のシーンBでは、あなたは不思議な体験をすることになります。
あなた「風邪薬ください。安いのでいいです」
店員「かしこまりました。ところで、いかがされたのですか?」
あなた「咳と鼻水が止まらなくて、困っています」
店員「そうでしたか。それはおつらいですね。少し伺っていいですか。どんな感じですか?」
あなた「そうですね。咳き込んで、夜も寝られない状態が続いています」
店員「そうでしたか。日常の生活にも支障が出ているということでしょうか?」
あなた「はい。睡眠不足のため、仕事中も頭がボーとするんですよね」
店員「かしこまりました。では、お値段のことも考えつつ、しっかりと咳と鼻水を止めるということが大切ですね。3つのお薬をご案内できます」
(ここで3つの薬を示す。薬の名前:「グリーン」「オレンジ」「レッド」)
店員「かしこまりました。ところで、いかがされたのですか?」
あなた「咳と鼻水が止まらなくて、困っています」
店員「そうでしたか。それはおつらいですね。少し伺っていいですか。どんな感じですか?」
あなた「そうですね。咳き込んで、夜も寝られない状態が続いています」
店員「そうでしたか。日常の生活にも支障が出ているということでしょうか?」
あなた「はい。睡眠不足のため、仕事中も頭がボーとするんですよね」
店員「かしこまりました。では、お値段のことも考えつつ、しっかりと咳と鼻水を止めるということが大切ですね。3つのお薬をご案内できます」
(ここで3つの薬を示す。薬の名前:「グリーン」「オレンジ」「レッド」)
さて、ここであなたには、顧客の立場でリアルに考えてほしいのです。
では、続きを。
店員 「まず、このグリーンは、咳止めと鼻水を止める成分が標準の2倍入っています。即効性もあり夜もぐっすり眠れると思います。お値段は800円です。
次は、オレンジです。咳止めと鼻水を止める成分が標準の1.5倍入っています。効能はグリーンほどではないですが、こちらも、夜もぐっすりと眠れると思います。お値段は600円です。
次は、レッドです。咳止めと鼻水を止める成分が標準の1倍入っています。お値段は480円です」
ここで、店員が尋ねます。
店員「どれにされますか?」
さて、あなたはどれを選びますか?