お客様の言われた通りにやってはいけない

お客様から、「安いプランでいいよ」と言われることもあるでしょう。

あなたなら、その時どのように対応しますか。

やってはいけないのが「かしこまりました。もっとも安いのは……」と、求められた通りに提案することです。

営業は求められた通りにやってはいけない。

これは鉄則だと考えておいてください。

実は、求められた通りに対応すると、お客様にとって満足のいくものにならないことが多いからです。

では、どうすべきなのでしょう。

正しい対応は、「教えてもらう」、です。

「安いのでいいよ」と言われた際は、“その背景”を教えてもらいましょう。

安い薬を買いに来たのに、高い薬を買ってしまう⁉️

ここで、クイズを出しますね。

これは、私が研修で行うデモンストレーションの1つです。

シーンはドラッグストアでの一コマ。

薬局で薬剤師から説明される顧客
写真=iStock.com/kumikomini
※写真はイメージです

あなたは風邪をひき、薬を買いに行きます。

まずは、シーンA。

あなた「風邪薬ください。安いのでいいです」
店員「かしこまりました。こちらはいかがですか。480円で最安値です」
あなた「では、それで」

いかがですか。特に不満はないはずです。

でも、次のシーンBでは、あなたは不思議な体験をすることになります。

あなた「風邪薬ください。安いのでいいです」
店員「かしこまりました。ところで、いかがされたのですか?」
あなた「咳と鼻水が止まらなくて、困っています」
店員「そうでしたか。それはおつらいですね。少し伺っていいですか。どんな感じですか?」
あなた「そうですね。咳き込んで、夜も寝られない状態が続いています」
店員「そうでしたか。日常の生活にも支障が出ているということでしょうか?」
あなた「はい。睡眠不足のため、仕事中も頭がボーとするんですよね」
店員「かしこまりました。では、お値段のことも考えつつ、しっかりと咳と鼻水を止めるということが大切ですね。3つのお薬をご案内できます」
(ここで3つの薬を示す。薬の名前:「グリーン」「オレンジ」「レッド」)

さて、ここであなたには、顧客の立場でリアルに考えてほしいのです。

では、続きを。

店員 「まず、このグリーンは、咳止めと鼻水を止める成分が標準の2倍入っています。即効性もあり夜もぐっすり眠れると思います。お値段は800円です。

次は、オレンジです。咳止めと鼻水を止める成分が標準の1.5倍入っています。効能はグリーンほどではないですが、こちらも、夜もぐっすりと眠れると思います。お値段は600円です。

次は、レッドです。咳止めと鼻水を止める成分が標準の1倍入っています。お値段は480円です」

ここで、店員が尋ねます。

店員「どれにされますか?」

さて、あなたはどれを選びますか?