売れてしまう状況をつくる「販売力」の方程式

信じられないかもしれませんが、あるメカニズムを知ると、今のしんどさはそのプロセスでしかないと気付くことができます。

そのメカニズムが、これです。

販売力=行動量×技術×営業基盤

私がこの「販売力」の方程式を知ったのは、営業を始めて3年目くらいの時でした。

『高額商品セールスマンのための驚異のセールス・アクション・プログラム』でその論を見たのがきっかけでした。

ちょっと難しそうですよね。

安心してください。めちゃくちゃ簡単です。

よく、営業は「行動量がすべて」といったことが言われますが、この本の趣旨はそうではありません。

大事なことは、その先。

「売れる営業基盤」をつくることがゴールであることが記されていたのです。

こう考えるといいでしょう。

「営業基盤とは、契約をくださるお客様、または見込み客がたくさんいらっしゃる状態」のことだと。

例えば、お客様が3社だと、探客のために走り回らないといけませんよね。

でも、お客様が50社あり、見込み客が100社あれば、契約が自然に入りやすくなります。

実際、こんな感じ。

今、私は研修会社を営んでいます。

最初は、営業活動をしましたが、今は探客をしていません。でも、講師としての閾値とも言われる年間200回の研修がコンスタントに入ります。

実は、それ以上のお問い合わせをいただいていますが、受けられない……そうした状態が続いています。これこそが、営業基盤のパワーです。

しんどい期間を経て「愛される状態」がつくられる

話を戻しましょう。

かつて、求人広告の営業をしていた時、最初の2年はとにかく電話と訪問をしまくっていました。

「これでは身が持たないな……」と思っていた頃に、この法則を知ったのです。

そして、こう考えました。

今、一生懸命に訪問活動をしているのは、この先もずっとその状態が続くわけではなく、お客様から多くの契約をいただける「営業基盤」をつくるためである、と。

その基盤をより強く、より早くつくるために必要なのが、本書で紹介する「トップ営業の気くばり」です。

営業基盤とは、言い換えると「愛される状態」をつくることと考えて差し支えありません。

握手するビジネスパーソンと背景に夕焼け
写真=iStock.com/metamorworks
※写真はイメージです

そして、それはちょっとだけ時間がかかるのです。

なので、もし「しんどいな……」と思う時が来たら、この先のことを考えてみてください。

「どんな営業基盤」をつくりたいのかを考えてみるのです。

もしイメージができないなら、あなたの会社のトップセールスは、どんな基盤を持っているのか関心を持つといいでしょう。

繰り返します。

しんどいのは最初だけ。愛されるまでの助走期間です。