宮古じゃないかんじがしています

宮古は地元の出版も盛んだ。タウン誌「みやこわが町」は1977年創刊(2012年1月撮影。撮影協力:リラパークこなり)。

宮古商業高2年生の最上沙季さん。やってみたい仕事は理学療法士。だが、その資格を取るための具体的な方法が「まだよくわからない」と話す。

「大学か専門学校に行こうって思ってます。でも、進路はまだ悩んでいて、大学とかまだ考えていません。そこに行くかどうかはわからないですけど、専門学校だと、岩手リハビリテーション学院(盛岡市)とか、仙台リハビリテーション専門学校(仙台市)とか」

2校は、いずれも前回記した「理学療法士養成校一覧/3年制」の中に名がある。「どういうふうに(資格を)取ればいいのか、まだよくわからない」と言う最上さんだが、2年生の段階で、将来への道筋の見当は付いているということだ。しかし2校とも宮古にはない。ということは、高校を出たらいちど宮古を離れることになりますね。

「はい。理学療法士になることができて、就職するってなったときも、宮古じゃないかんじがしてます。内陸でもいいです」

宮古での取材はコミュニティセンターの一画を借りて行ったのだが、そのすぐ横に宮古第一病院リハビリテーションセンターがあり、道路を跨ぐ3階の渡り廊下に大きな文字で「青春リハビリテーション」と書かれていた。この病院のキャッチフレーズらしい。調べてみると、理学療法士24名が働く大病院だ。初任給24万円で理学療法士の募集もしている。学校とは違い、就職口が宮古に皆無というわけではなさそうだ。だが、最上さんは「宮古じゃないかんじがしています」と言うのだ。

「宮古が好きか? うん、まぁ、好きですね(笑)」

ずっとここにいたいっていうほどでもないくらい? 微妙に?

「はい(笑)」

理学療法士の人に会うことができて、「1個だけ聞いていい」って言われたら、何を聞きますか。

「自分は成績悪いんで、理学療法士になるための勉強について行けるかどうか、それがいちばん聞きたいです」

次に話を聞いたのは、両親がそろって医療関係で働いている高校生だ。