年収1200万円が「お金持ち」と位置付けられている

「年収1200万円」というのは、厳密に言うと、扶養人数などによって、金額が変わります。それよりも僕が疑問に思ったのは「年収1200万円」の人ないしはその家庭が「高所得者世帯」、いわゆる「お金持ち」と位置づけられていることです。

確かに年収1000万円を超える世帯は、一般的に「高所得」と見なされるのかもしれません。

だから政府も「お金持ちなんだから児童手当はいらないよね」っていう名目でこういう政策を打ち出し、一般市民もそれに簡単に同意するわけです。

でも、そもそも年収1200万円の家庭って、そんなにお金持ちなのでしょうか?

東京都内に住むなら年収1200万円では足りない

以下は概算ですが、1200万円を12で割ると月収は100万円になります。

そこから所得税や住民税などの税金を引かれ、社会保険料などを支払うと、手元に残るのは75万円くらいになります。

月75万円の手取り収入で東京都内に住むのは、正直言って結構ハードです。

ましてや子どもが2人くらいいると、家もそれなりの面積が必要なので、たとえばお金持ちの多そうな港区あたりに住んだ場合、安い3LDKでも家賃は30〜40万円くらいになります。

東京の住宅街にある高層マンション
写真=iStock.com/CHUNYIP WONG
東京都内に住むなら年収1200万円では足りない(※写真はイメージです)

子どもがいるので、買い物や学校・幼稚園の送迎などで車が必要になります。

そこで車の維持費もかかりますし、駐車場も港区あたりだと5万円くらいにはなります。