「将来の建替え」も視野に入れて物件を見る
資金繰りが厳しくなるばかりのマンション管理は、「名称の大規模修繕」が今後の課題になる。
このように、タワマン以外なら、湾岸でも「驚きの格安物件」が意外にも残っている。
不動産価格は急には修正されないからだ。
20階建てくらいでも、「タワー」を冠したほうが売れ行きにプラスになるかもしれない(これはうわべのタワーブームに乗る前のジョークだが)。
たとえば、豊洲4丁目9の大規模物件は、主力の棟が14階からの中低層の集合体で中庭がかなり広く、一戸当たりの土地面積も広い。豊洲駅から徒歩5分ほどだ。
25階以上でないため、一部の住戸は億ション扱いになったものの、富裕層や外国人の投資対象にはなっていない。だが、将来は青空駐車場や中庭の広い敷地にツインタワーが十分に建ちそうだ。
建替え検討時には、一戸当たりの家族数は新築時の半分以下になっているだろう。
よって住民分の建替え住戸の面積はコンパクトでよく、建替え面積の半分以上を外販してそれを建替え資金とすれば、建替え費ゼロも不可能ではない。
おまけにインフレとコロナ禍の前に決めた全戸のペアガラス(断熱)の導入決議も、大規模修繕のあとに導入反対運動が起きて、ペアガラス導入の撤退決議が通った。結果的に、修繕積立金を数億円も節約している。
「脱炭素で環境に優しい」と聞けば、無条件にEV施設の導入も許容される時代だが、マンション管理の財政は悪化するうえ、「環境に優しい」効果も疑わしい。
もうかるのは、納品や工事を請け負う業者筋だ。