相続税を安く抑えるにはどうすればいいか。税理士の大田貴広さんは「生前贈与や不動産購入にいきなり手を出して失敗する人は多い。まずは相続税がどの程度かかるのか、洗い出すことから始めなければいけない」という――。
※本稿は、大田貴広『相続のお金の残し方「裏」教科書 専門税理士が限界ギリギリまで教える“99%節税できて100%モメない”方法』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。
相続税対策は4ステップの順番が命
相続税対策は、次の4つを順番に実行することが大事です。
(1)現状分析
(2)遺産の分け方を決める
(3)不動産や生命保険の購入による評価額の引き下げ
(4)生前贈与
(2)遺産の分け方を決める
(3)不動産や生命保険の購入による評価額の引き下げ
(4)生前贈与
相続税対策は、この4つの順番を守らないとうまくいきません。まず押さえるべきところを押さえてから次のステップへ進まないと、落とし穴にはまる可能性があります。多くの方が、生前贈与や不動産購入という対策を提案されるままに実行します。実をいうと、その対策を鵜呑みにするのは大変危険です。
これまで実際に相続税申告を担当してきたお客様の中でも、後々になって「この対策はやらないほうが良かった」「かえって税金を数千万円損した」という方が一定数はいます。
「マンションを買ったのはいいけれど納税資金がなくて相続税を支払えない」「子供のために生前贈与をコツコツ頑張ってきたけれど対策が無駄になった」といった話はめずらしくありません。確かにこれらの一つ一つの対策は間違ってはいませんが、その対策が果たしてあなたに合うかは分からないのです。
正しい対策をするためには、(1)現状分析、(2)遺産の分け方を決める、(3)不動産や生命保険の購入による評価額の引き下げ、(4)生前贈与を順に実行し、その人ごとにカスタマイズする必要があります。