2000万円を稼ぐ人の44.5%が、アポイントメントの時間を「午前中」に設定するのに対して、500万円台の人の約7割が「午後・夕方・こだわらない」と答えている(プレゼン格差9)。私自身も1日の「午前中」にアポを入れることが多いが、その理由は「朝イチ」から用事を入れておけばいやおうなしに1日の業務開始時間が早まり、それ以降の仕事の効率が上がるからである。
プレゼンテーションをするためにもらう時間は、2000万円を稼ぐ人、500万円台の人ともに「約30分」と答えた人が最多だったが、「1時間以上」と答えたのは2000万円稼ぐ人に多かった。これは立場や案件の金額の違いが表れていると考えられる(プレゼン格差10)。
プレゼンテーションへの意気込みを表す一指標となるのが、勝負服や「こだわりの品」の有無だ。
年収2000万円を稼ぐ人でプレゼンテーションの際に勝負服がある人が約半分いたのに対して、500万円台で「ある」のは、3人に1人(プレゼン格差11)。2000万円稼ぐ人のこだわりの品のトップは、「スーツ」である(プレゼン格差12)。「スーツ」以外にも「ネクタイ」をはじめ、「シャツ」「靴・カバン」「下着」「文具」とどれを取っても2000万円を稼ぐ人のほうがこだわりが強い。金銭的なゆとりの違いかもしれないが、「見た目」を重視しているからではないだろうか。グラフには載っていないが、2000万円を稼ぐ人が挙げた勝負色では、相手に印象づけやすい「青」や「赤」が多かった(プレゼン格差13)。
十分な準備時間が取れればよいのだが、「急ですが、明日プレゼンテーションをお願いしたい」と言われることもある。そんなとき、あなたならどうするか。2000万円を稼ぐ人の36.0%、500万円台の人の41.0%が「話す内容を考える」という結果が出ている(プレゼン格差14)。
最も差が開いたのが「相手のことを調べる」だ。2000万円社員は、時間が限られていても相手を調べて有効な戦略を立てる。今回の提案に至った経緯や、過去の類似取引を頭に入れるのは大前提で、相手について次の3点は押さえておいたほうがよいだろう。
(1)新事業所や工場の建設、新製品の発売、業績修正、実業団チームの最近の成績など、その会社の最新のニュース。「御社のことをいつも気にかけています」というメッセージが伝えられる。
(2)会社概要、売上高、社員数、国内外の拠点数、事業部構成などの事業内容。基本を押さえておくことは重要である。
(3)可能ならば、プレゼンテーションの相手が組織の中でどのような立場の人なのかといった情報も入手しておきたい。
例えば一口に部長といっても、数百人の部員を擁する基幹部門の部長なのか、新設された少人数部門の部長なのか。それによって、当然プレゼンテーションの落としどころは違ってくる。