ダンロスキーらによる報告書は、要約について以下のような評価をしています。

「今ある科学的根拠に基づき、要約の有用性は低いと評価する」

要約するのがうまい学習者にとっては、効果的な学習方法になり得るとしつつも、多くの学習者(子どもや高校生、一部の大学生など)にはきちんと要約する訓練が必要であるとしています。

机の上に積み重ねられた本
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授業中などにノートを取ること自体(それを復習するという行為は別にします)には、どれほど学習効果があるのかについての57の研究をまとめて分析した研究報告によると、効果はあるけれど限定的である、と書かれています。

科学的に効果が高くない勉強法3 ハイライトや下線を引く

「ハイライトすることや下線を引くこと」も、あまり効果のない学習方法です。色とりどりの蛍光ペンを使って単語や文章をハイライトすると、なんとなく勉強した気になります。けれども残念ながら、これにはあまり効果がありません。

★研究
例えば、アメリカの大学生を対象とした研究では、学生を8000語の文章をハイライトするグループ、ハイライトしないグループ、他の人がハイライトしたものを読むグループに分け、1時間かけて読んでもらいました。1週間後、10分だけ文章を見直してから内容についてのテストを行ったところ、どのグループでもテストの点数に差がなかったことが報告されています。

また、1992年に報告された大学生を対象とした研究では、大学で使う歴史の教科書の章を、下線を引きながら読むグループ、引かないでただ読むグループに分け、その1週間後に15分間、教材を見直してから内容についての試験を受けてもらいました。

2つのグループの試験の点数には差がないどころか、興味深いことに、推論問題については下線を引きながら読み、それを見直してから試験を受けた学生たちのほうが、点数が低いという結果でした。もしかしたら、下線が引いてあるところだけに気が向き、全体の内容を関連づけて理解することが阻害されてしまった可能性があります。

そのほかにも、ハイライトを学習に取り入れていた学生のほうが、試験での成績が悪いという報告もあります。