SNSから輸入、若い女性が中心、お手軽で高品質

1つめは、SNSを通じて韓国から日本にブームが伝わる点だ。本場の韓国でまったく話題になっていないモノ・コトが、日本でブームになるという図式はほとんど見られない。「韓国で人気」「韓国アイドルが愛用」といった韓国でのブームが、SNSを経由して日本にも伝わり、広がってブームとなりやすい。そのため、必然的に、SNS映えをする方が、国境を越えやすくなる。

2つめは、中心にいるのは若い女性である点だ。初期の冬ソナブームを除けば、時期・分野に関わらず、韓流の盛り上がりの中心には若い女性たちがいる。だから、例えば、韓国の中高年層の間で高麗人参が流行っていても、それが日本でのブームには繋がりにくい。日本の若い女性たちから注目されるモノ・コト、というのは外せない条件になる。

3つめは、お手頃で高品質という点だ。韓流ブームの中身を振り返ると、ハイブランドや高級品、高価格帯はないに等しい。ブームの中心にいる若い女性たちにとって、お手ごろな価格帯で、コストパフォーマンスに優れたモノ・コトが人気の獲得に成功している。

盛らないプリクラ「韓国プリ」

韓国のSNSで人気が高く、若い女性がメインターゲットで、コスパが高い。この3つの成功条件を満たす、2024年のこれからの韓流ブームを担う有力候補として「韓国プリ」があげられる。

「プリクラ」という言葉はセガの登録商標で、正確にはプリントシールだが、一般に同種のサービス全般を指して「プリクラ」と呼ばれている。韓国プリ(韓国のプリントシール)は、4枚の写真がセットで出てくることから「4カット」と呼ばれたり、自分で高画質の写真を撮れるセルフ写真館コンセプトのプリント写真として「セルプリ」と呼ばれたりもするものだ。韓国プリの最大手の「フォトイズム」を筆頭に、新大久保・渋谷・原宿などの専門店舗や全国各地のゲームセンター内に韓国プリ機の展開が加速している。

photoism 原宿竹下通り店の外観
Photoism 原宿竹下通り店。Photoism Japanプレスリリースより

日本のプリクラが「盛る」「デコる」など、元の顔が分からないほど強い画像加工や補正、スタンプを楽しむ傾向が強いのに対して、韓国プリは「盛らないプリクラ」である。ありのままの姿を最大限にキレイに撮るため、プロ仕様の一眼レフカメラが用いられ、自然体で楽しむための小道具・被り物・コスチュームなどの豊富なグッズを利用できる。自分の好きなタイミングで撮れるセルフシャッター機能や、アイドルの画像と合成感のないツーショット撮影が楽しめる「コラボフレーム」、画像とタイムラプス動画のデータを追加料金なしで無料ダウンロードできる点も人気を集めている。

Photoism 原宿竹下通り店の店内
Photoism 原宿竹下通り店の店内。Photoism Japanプレスリリースより
Photoism 原宿竹下通り店の日本限定フレーム
Photoism 原宿竹下通り店には日本限定フレームがある。Photoism Japanプレスリリースより